日立、EDIサービスをSaaSで提供

日立製作所は、企業間ECプラットフォーム「TWX-21」を利用したEDIサービスをSaaSで提供する。

» 2008年05月19日 16時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日立製作所は5月19日、企業間電子商取引プラットフォーム「TWX-21」を利用したSaaSアプリケーションの提供を始めると発表した。第一弾として「設計・製造管理・保守担当者向け図面/仕様書管理サービス」を6月1日に開始する。

 新サービスでは、企業間でやり取りされる製品仕様書や設計図面、検査情報、品質情報などをインターネットを介して管理できるようになる。ユーザー企業は、Webブラウザ上で案件の進捗管理やデータの精査、ユーザーインタフェースや項目のカスタマイズ、帳票やデータのダウンロードなどが可能。ヘルプデスクサービスも提供される。同サービスを利用することで、現在は紙文書での多いドキュメントのやり取りが効率化され、企業ごとに異なる管理プロセスなども標準化される。トータルコストの削減や製品開発などのリードタイム短縮といった効果が期待されるという。

 日立では今後1年以内に受発注業務向けや倉庫管理業務向けサービスも始める計画。また、SaaS型アプリケーションを展開するパートナー企業との提携も視野に入れる。TWX-21は1997年に開始され、4月現在で約3万9000社が利用する。年間取引額は推定で約10兆円。サービス利用料金などは個別対応で、同社では2010年までにTWX-21全体で300億円の売上を見込む。

 経営戦略室長の北野昌宏氏は会見で、「企業間でやり取りされる非定型のドキュメント管理の効率化は、企業のIT化の最優先事項だと考えている。機密情報も多く、信頼と実績のあるわれわれのプラットフォームでサービスを展開したい」と述べた。

 SaaS型プラットフォームサービスでは、NECや富士通などが独立系ソフトウェアベンダー(ISV)との提携を中心に参入を表明しているが、「ビジネスモデルのあり方や実際の運営形態など課題も多く、まずは日立として考えるサービス形態で市場ニーズに対応したい」(北野氏)としている。

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