NECの1Qは大幅減益 主力のネットワーク事業が不振

NECの1Qは営業利益が前年同期比63.7%減の41億円、純利益が同50.4%減の5億円となり大幅減益。主力のIT/NWソリューション事業が足を引っ張った。

» 2008年08月01日 08時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 NECは7月31日、2008年4〜6月期(第1四半期:1Q)の連結決算を発表した。連結売上高は前年同期比0.7%減の1兆12億円、営業利益は63.7%減の41億円、純利益は50.4%減の5億円となり、大幅な減収減益となった。主力のネットワークシステム分野が足を引っ張った。

 システム構築やアウトソーシングなどを展開するIT/NWソリューション事業の売上高は、前年同期比1.3%減の5651億円、営業利益はほぼ半減の77億円だった。国内通信事業者によるシステム投資の一巡や、海外通信事業者向けのシステム分野が円高のあおりを受けたことなどにより、減収減益となった。一方、基幹系システム向けサーバやストレージの出荷が好調で上ぶれ、「全体では想定通り」(小野隆男執行役員常務)の業績に落ち着いた。

1Qの実績(写真左)と、IT/ネットワークソリューション事業の実績(写真右)

 携帯電話やPCを扱うモバイル/パーソナルソリューション事業の売上高は前年同期比7.1%増の2263億円、営業利益は同39.4%減の58億円となった。市場に投入する携帯電話を前年同期に対し8機種と4倍に増やしたことで開発費が膨らんだことなどが、減益の要因となった。

image 小野隆男執行役員常務

 携帯電話の出荷台数は160万台と前年同期より約3割増加。買い替えの期間の長期化が進み市場が縮小する中、ファッションブランドとのコラボレーションモデルや薄型端末などを積極的に投入した。「機能、薄さ、デザインで魅力のある端末を展開し、年間700万台出荷という目標を達成したい」と小野氏は意気込む。

 半導体や電子部品を扱うエレクトロンデバイス事業は、売上高が4.1%減の1974億円、営業損益は2億円となった。

 不振のIT/NWソリューション事業の一角を担うITサービスについて小野氏は、「景気の不透明感はあるものの、各企業のIT投資は堅調」とコメント。先の見通しについては、「IT投資で事業の効率化を図る動きが盛んになる。景気が下降しても(各企業の)投資意欲は残る」と述べ、収益性の改善を進めていくとした。

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