Sun Microsystems:革新者のジレンマ「ネットワークこそコンピュータ」(3/3 ページ)

» 2008年12月03日 17時02分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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 一方、Sunは比較的新しい分野でも技術革新に取り組んでいる。それはRIA(Rich Internet Application)である。JavaFXで、SunはJavaプラットフォームをベースとする新しい技術を導入する。それはデスクトップ、モバイル、テレビ、その他のコンシューマプラットフォーム上で一貫したユーザーエクスペリエンスを実現するものだ。

 最近開催されたAdobe Maxカンファレンスで、SunのJavaマーケティング担当上級ディレクター、パラム・シン氏は、開発の最終段階にあったJavaFXのデモをわれわれに披露した。

 シン氏によると、JavaFXにはJavaFX SDK(ソフトウェア開発キット)用のほかに、NetBeansとEclipse用のプラグインが用意されるという。JavaFXを利用すれば、ユーザーはAdobe PhotoshopやIllustratorなど、他のアプリケーションからグラフィカル資産やメディアをインポートすることが可能になる。シン氏は、JavaFX技術が設計者と開発者の間にどのようにスムーズなワークフローを作り出すかをデモで示した。設計者が設計変更を行ったとき、その変更がIDEの中に示され、開発者が認識できる仕組みになっている。

 「JavaFXはJavaの上にプレゼンテーション層を提供する」とシン氏は説明する。設計者や開発者のプロダクションスイートに加え、「われわれはモバイルエミュレータも開発する方針だ」(同氏)という。さらにシン氏は、「コントロールの開発手段として(Adobe)Flexを検討しているJava開発者は、JavaFXが1つの選択肢になるだろう」としている。

 いずれにせよ、Sunは今後も革新的であり続けるだろう。革新的であることが、同社で問題になったことはない。

 実はAdobe Maxで、Adobeのクリエイティブソリューションビジネス部門上級副社長、ジョン・ロイアコノ氏と話をしたとき、わたしはAdobeの将来性を示すキーワードとして、「Flash Platform」という言葉を冗談めかして使った。そして以前、Sunのソフトウェア部門の重鎮であったロイアコノ氏に、SunがユビキタスなJavaプラットフォームとの関連性を強調するために株価のティッカーシンボルを“SANW”から“JAVA”に変更したが、Adobeも追随してティッカーシンボルを“ADBE”から“FLSH”に変更するつもりはないかと聞いた。

 ロイアコノ氏はクスクス笑った後、すぐに真顔になって、「Sunにそうした革新性が尽きることはないだろう。ジョナサン(シュワルツ)は困難な仕事はこなしているが、今回の件もSunを絶えず前進させるための仕掛けの1つに過ぎない」と語った。

 景気後退の直撃を受けながらも、Sunは依然として業界の注目を集め続けている。はたしてSunは、その革新性から利益を生み出すために、いま何をすべきなのだろうか?

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