世界的な景気減速でIBMやHPのサーバ売り上げが減少IDC調査

IDCによると、米国の景気がさらに悪化して世界経済が減速する中、IBM、Hewlett-Packard、Dell、Sun Microsystemsの年間および四半期のサーバの売り上げが減少した。IDCの報告書で唯一の明るい材料は、ブレードサーバの出荷台数と売り上げが伸びたことだ。

» 2009年02月26日 14時18分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
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 IBM、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Sun Microsystemsの各社ではいずれも、2008年10〜12月期にサーバシステムの売り上げが減少した。その背景には、米国の景気後退がさらに深刻化する一方で、世界経済が減速したことがある。

 IDCが2月25日に公表した報告書によると、2008年10〜12月期の全世界のサーバの売り上げは2007年10〜12月期と比べて14%減少し、総額で135億ドルとなった。

 2008年全体では、全世界のサーバの売上高は前年比で3%減少の533億ドルだった。台数ベースで見れば、2008年のサーバシステムの出荷数はわずか2%増の810万台となった。これらの数字は、サーバの利益率がドットバブル崩壊直後の2002年1〜3月期以来、最も低くなったことを反映したものだ。

 IDCのアナリスト、ダニエル・ハーリントン氏は「すべての主要地域ならびに大手サーバベンダーの数字は、2008年10〜12月期がマイナス成長になったことを示している」と電子メールに記している。「今のところ、この市場の回復の兆候は見られず、しばらくは“底”が見えない状況が続きそうだ。2009年上半期中に本格的な市場回復を期待できないことだけは確かだと思う」

 IBMは2008年10〜12月期、サーバの売り上げでトップの座を維持したが、2007年10〜12月期と比べると15%の売り上げダウンとなった。IBMの2008年10〜12月期のサーバの売り上げは49億ドル。同社のPowerベースシステムの売り上げは増加したが、System xシリーズ(x86ベース)の売り上げは減少となった。

 HPの2008年10〜12月期の売り上げは前年同期比10%減の39億ドルで、市場シェアはIBMに次ぐ第2位だった。Dellもサーバの売り上げが10%減少し、14億ドルとなった。Sunのサーバ売り上げは14%減の13億ドル、富士通/Fujitsu Siemensの売り上げは15%減の5億6700万ドル。

 2008年通期では、IBMのサーバの売り上げは170億ドルで、同社は全世界のトップを維持した。しかし2007年と比べると2%の売り上げダウンとなる。HPの昨年のサーバの売り上げは約2%減少の158億ドルだった。

 IDCによると、Dellの2008年のサーバの売り上げは1%減の62億ドル。Sunの売り上げは約8%減の54億ドル、富士通の売り上げは4%減の26億ドルだった。

 IDCの調査では、2008年10〜12月期にはUNIX、Microsoft Windows、Linuxベースのサーバはいずれも売り上げが減少した。WindowsおよびLinuxベースのサーバの売り上げダウンは、大量市場向けのx86システムの需要低下を反映したものでもある。

 「UNIXベースのシステムは、Windowsベースのシステムよりも落ち込みが少なかったが、非x86およびx86セグメント全体はともに2桁の売り上げダウンとなった」とハリントン氏は記している。

 明るい傾向が示された唯一の分野がブレード市場である。2008年10〜12月期はブレードサーバ市場全体で売り上げが16%増加し、出荷数は12%増加した。同市場をリードしたのはHPで、売り上げシェアは54.8%だった。第2位はIBMで、売り上げシェアは21.7%。

 2008年通期では、ブレードサーバの売り上げは33%増の54億ドルだった。

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