デルが販売促進キャンペーンとして使い出すなど、企業のプロモーションとしてTwitterが使われ出している。つぶやきは有効なプロモーションになるだろうか。
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4月27日、デルがTwitterを使ったWebプロモーションを開始した。これに限らず、最近では複数の企業が、プロモーションの一環としてTwitterを利用するケースが増えている。しかし、“つぶやき”が有効な広報活動になるのだろうか。
企業の〈中の人〉の“つぶやき”は、その人物の立場や、その人物自身に対する興味によっては、意味を持ってくる。それは、企業そのものではなく、あくまでも個人の“つぶやき”だからだ。外部からではうかがい知れない企業や、業界の内情が垣間見えることもあり、興味深いことがある。このことがあるために、企業によっては社員のTwitterアカウントを監視しているところもあるとも聞く。
それに対して、企業そのもの、もしくは部門、ブランドのTwitterでは、何がつぶやかれるのか。
広報のためにアカウントを取得した場合、新サービスの案内などを、淡々とつぶやくケースもあれば、担当社員が自由につぶやいている形のものもある。もちろん、しっかりと計画されたプロモーションの場合は、自由につぶやいているように見せかけて、計算された“つぶやき”をしていることも多いはずだが。
いわゆるブログを使った企業プロモーションでは、期間を決めて、どの情報をどのあたりで掲載するなどといったスケジューリングがなされていて、綿密な計算がされている。コメントやトラックバックから、顧客などの反応を見ながらプロモーションできるため、うまく活用できればそれなりの効果を上げられる。逆に、炎上してしまって閉鎖した事例もあるが、コメントやトラックバックを承認制にすることで防ぐことも可能だ。
それに対してミニブログと呼ばれるTwitterでは、フォローを活用することで、顧客の存在をもっと身近にすることができる。かといって、短期間に大量に情報を発信してしまっては、スパムのようになりかねない。いかに効率よく、良いタイミングで“つぶやく”ことができるかが、勝負だろうか。そして、フォローしてくれる読者から口コミが広がれば、それこそ大きな宣伝効果が期待できる可能性がある。
少し状況が異なるのは芸能の分野だ。ファンとのコミュニケーションが重要なファクターになる。いわば自らが看板を背負った形の芸能活動においては、Twitterはプロモーションツールとしても有効活用できるのだ。
「芸能マスコミ」という言葉があるように、かつて、芸能プロモーションはテレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアを積極活用していた。もちろん、それはいまでも継続されているが、現在ではだいぶ様相が変わってきている。それは、ネットによる情報発信が増えてきたことだ。少し前ならば、芸能リポーターを集めて記者会見するのが当たり前だったものが、当事者がブログで先に書いてしまい、それをマスコミが後追いするケースが多くなっているのだ。
ブログをする芸能人が増えたことは、ただ情報を発信するだけではなく、コメントなどを利用して、ファンと直接交流が図れることを意味する。Twitterはそれをさらに促進させている。“つぶやき”を利用してファンに最新情報をダイレクトに伝えたり、逆にファンの“つぶやき”を聞いたりもできる。同じ目線に立った交流が可能となるのだ。
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