スパムが過去19カ月で最多に、画像悪用や景気刺激策に便乗する手口MessageLabsの月例リポート

4月の電子メール全体に占めるスパムの割合は2007年9月以降で最高だったことが分かった。

» 2009年05月15日 12時54分 公開
[ITmedia]

 メッセージラボジャパンは5月15日、4月のスパムやマルウェア動向をまとめた月例リポートの中で、スパム流通量が過去19カ月で最多になったと発表した。画像スパムの復活や景気刺激策に便乗する手口も見つかった。

 電子メール全体に占めるスパムの割合は、前月比9.6%増の85.1%(メール1.17通に1通の割合)で、2007年9月以降では最多となった。地域別では、英国が同25.6%増の94.0%で最多被害国となり、以下は中国(90.3%)、香港(89.9%)、オーストラリア(87.8%)、日本(86.4%)だった。

スパムが占める割合の推移(リポートより抜粋)

 マルウェア感染などの悪質サイトへのリンクを含むスパムは同6.9%減の13.3%、フィッシング攻撃は同0.1%減の0.2%だった。

 画像スパムは、2007年をピークにサービス事業者の対策が進んだことでGIFやJPEGなどの画像を悪用する手口が減少していた。最近では画像を信頼できるサイトにホスティングし、そこからリダイレクトさせることで身元を隠す手口や、スパム対策の法律に準拠したデザインを採用したものなどが増加した。これらの手口のいずれも、既存のスパム検知を回避する狙いがあるという。

 4月2日にロンドンで開かれた「G-20」(財務大臣・中央銀行総裁会議)を標的にした手口も横行。G20に関与した人物や金融機関あてに、不正なPDFファイルを添付するスパムが送り付けられた。添付ファイルにはトロイの木馬を呼び込むダウンローダーが仕掛けられ、さらに別のスパイウェアを呼び込むようになっていたという。

 同社によれば、G20のような標的型攻撃は2008年が1日平均53件だったが、2009年1〜3月期には同60件に増え、G20期間前後は100件にまで膨れ上がった。

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