不正利用につながるIDやパスワードの管理を厳重に――IIJが注意喚起四半期リポート

IIJは1〜3月のセキュリティ事件対応をまとめた報告書の中で、盗まれたIDやパスワードがWeb改ざん攻撃などに悪用されていると警告する。

» 2009年05月18日 17時45分 公開
[ITmedia]

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月18日、1〜3月に発生したセキュリティ事件の対応をまとめた報告書「Internet Infrastructure Review vol.3」を公開した。この中でIDやパスワードを悪用したコンテンツ改ざんが拡大しているとして、対策などを紹介している。

 同社によると、昨年末から盗んだIDやパスワードを不正に利用してWebサイトを改ざんし、閲覧者をマルウェア感染サイトに誘導する事件が増加している。改ざん被害を受けた顧客企業もあった。

 IDやパスワードの盗難、悪用の対策では、従来から定期的な変更や一定以上のけた数やランダムな文字列の利用が推奨されてきた。しかし、管理の手間などを理由にユーザーが特定のIDやパスワードを異なるサービスで使い回すケースや、業務に使うIDやパスワードを私的にも使っているケースがあると指摘する。

 同社では、WebブラウザやメールソフトウェアのID、パスワード記憶機能などを利用している場合に、利用状況を確認して新しいIDやパスワードを設定することや、特に金銭につながるサービスを利用する場合に異なるIDやパスワードの利用を推奨している。また、企業の管理者には従業員が業務で使う認証情報を私的に使わないよう、啓発やポリシーによる防止策の徹底、パスワードの強度などをチェックするツールを用いた確認を呼びかけた。

 報告書ではこのほか、急増する偽セキュリティソフトウェアによる詐欺やマルウェア感染の手口なども紹介。最近ではウイルス対策やスパイウェア対策、ファイアウォールを装う偽ソフトウェアや日本語による手口も増加しており、日常から信頼できるセキュリティ対策ソフトウェアを利用することや、信頼できる情報源が紹介した製品、サービスの利用をアドバイスしている。

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