富士通、ユーザー認証とコスト削減を両立する印刷管理製品を発売

富士通は、ICカードによるユーザー認証とプリンタコストの分析機能を搭載した印刷管理製品「認証印刷ソリューション」を発売した。

» 2009年08月26日 15時37分 公開
[ITmedia]

 富士通は8月26日、ICカードによるユーザー認証とプリンタのコスト分析機能を提供する印刷管理製品「認証印刷ソリューション」を発売した。情報漏えい対策の強化と印刷コストの削減を実現するという。

 認証印刷ソリューションは、社内にある複数のプリンタを制御する印刷管理サーバとICカードリーダで構成される。ユーザーが印刷を実行すると、印刷管理サーバに情報がスプールされ、ユーザーはプリンタに設置したICカードリーダに社員証などのICカードをかざすと認証が行われ、どのプリンタからでも出力できる。

プリンタに設置されたICカードリーダ

 同社と提携するプリンタメーカーの大部分の製品が対応するとしており、ユーザーは既存のプリンタ環境に、印刷管理サーバとICカードリーダを追加するだけで運用できるようになる。印刷管理サーバでは、プリンタのエラー監視やリカバリ、印刷ログや原本の保存、印刷ログの分析機能も搭載する。

 印刷ログの分析機能では、指定した期間内に印刷された部数やコストの金額(事前に設定)などをグラフ付きのリポートとして管理者に提供する。ユーザー別印刷枚数や使用コストや、片面/両面印刷の枚数、プリンタごとやアプリケーションごとの利用状況などを把握でき、各ユーザーに現状などを知らせることでコスト削減に向けた啓発に活用できる。

 同社のある部門が実際に2008年9月〜2009年7月にコスト削減へ取り組んだケースでは、印刷コストが58%削減されたという。1000ユーザー規模における効果の試算では、印刷コストが年間700万円程度、トナー廃棄などに伴い二酸化炭素発生を約5トンそれぞれ削減できるとしている。

富士通内部門での月別の印刷コスト

 サービスビジネス本部安心安全ビジネス推進室の太田大州氏は、「2008年に起きた情報漏えい事件では、原因の多くを管理ミスや誤操作が占めており、漏えい経路でも紙媒体の割合が大変に多いという。新製品は人的ミスによる漏えいリスクを可能限り削減することを目指した」と説明した。

 価格は、製品を構成する印刷管理サーバ用の富士通製ミドルウェア「Interstage Print Manager Standard Edition V9」が30万円(販売中)、富士通アドバンストエンジニアリング製のミドルウェア「EcoGate Print for Print Manager」が30万円(8月発売)、ICカードリーダが4万円(同)。セキュリティ対策ソリューション「SafetyValue」の新メニューとして提供する。

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