「クラウドに100%コミットしている」――MicrosoftバルマーCEO 来日語録Weekly Memo(1/2 ページ)

米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが先週来日し、記者会見や講演で同社の戦略などについて語った。その中から印象に残った発言をピックアップしてみた。

» 2009年11月09日 08時25分 公開
[松岡功ITmedia]

新コンセプトは「Three Screens and a Cloud」

 米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが11月5日、都内で報道機関向け、開発者向け、顧客企業のCIO向けの会見や講演を相次いで行い、同社の戦略などについて語った。

顧客企業のCIO向けイベントで話すMicrosoftのスティーブ・バルマーCEO

 毎年、この時期に日本をはじめ世界の現地法人を回って、社内の経営方針の確認や顧客訪問、記者会見や講演などを精力的にこなすバルマーCEOだが、今回はWindows 7が発売されたばかりで、今月中にはクラウドコンピューティングのプラットフォームサービス「Windows Azure」も提供開始予定とあって、一段と熱弁を振るう姿が印象的だった。本コラムでは、そんなバルマーCEOの会見や講演から印象に残った発言をピックアップしてみた。

 「長期的な経済成長は、生産性向上とイノベーションによってもたらされる」

 記者会見の冒頭でこう語ったバルマーCEOは、「ITの活用こそがそれらを支援する原動力になる」と力を込めた。これからのクラウド時代に向けたイノベーションを象徴するキーワードとして「Three Screens and a Cloud」という新たなコンセプトを掲げた。直訳すると「3つの画面と1つのクラウド」。3つの画面とはパソコン、携帯電話、テレビのことで、それらの「スマートなスクリーンがスマートなクラウドとやりとりする」イメージだ。この新コンセプトの内容についてはすでに報道されているので、関連記事などを参照していただきたい。

 「われわれはクラウドに100%コミットしている」

 開発者向けイベントの講演での質疑応答で、クラウド事業に対するMicrosoftの本気度を聞かれたバルマーCEOはこう強調した。「われわれのこれまでのビジネスモデルと異なることから、クラウド事業への本気度をよく聞かれるが、われわれはどこよりもクラウドに突進している」とも。さらにコミットについても「単にクラウド事業の展開に対してだけでなく、この分野でリーダーシップを発揮することに対して明言している」と決意のほどを示してみせた。

 「比較すべきはOSではなく、OSを搭載したPCだ」

 記者会見の質疑応答で、Googleの参戦やAppleの新製品投入で一段と激化しそうなOSバトルについて問われたバルマーCEOはこう切り返した。その上で「GoogleのOSを搭載したPCはまだ出ていないので、競争自体に加わっていない。AppleのMacとの比較では、多様性においてWindows PCに圧倒的な優位性がある。100人中85人のユーザーがWindows PCを選んでくれていることが、それを証明している」と胸を張った。

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