米SAS Instituteの共同創設者で、自ら「JMP」と呼ぶ個人向け統計解析ソフトを開発、主任アーキテクトも務めるジョン・ソール氏に、分析ソフトウェアが広げる産業の新たな可能性について話してもらった。
統計解析ソフトは、これからもさまざまな産業や業務分野で活躍します。製造、金融、製薬などの業界において、研究開発やマーケティングなど用途は多岐にわたります。
身近なところでいえば、ノートPCの商品企画などに生かしている例があります。ノートPCを構成する部品は、ディスク、CPU、バッテリー、メモリなどがあり、人によって重視する要素が異なります。ある企業の商品企画担当者は、ノートPCの企画にあたりJMPを用いてユーザーニーズを分析しました。
この結果、例えば、大きなくくりでいうと、男性はノートPCに処理の高速性を求める一方、女性はハードディスクの大きさを重視することなどが分かりました。
その他にも、太陽光発電の仕組みを分析することで、発電の効率性アップの糸口をつかめるでしょう。半導体のエンジニアが利用すれば、最も信頼性の高いプロセスを設計するためのデータなどが得られます。
JMPについていえば、今後64ビット環境への対応などもあり、さらに複雑な処理が手軽にできるようになります。技術者、科学者、市場調査担当者など幅広いユーザーにSASの分析技術を活用してもらいたいと思います。
企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.