シマンテック、外部製品との連係を強化した情報漏えい対策の新製品

シマンテックは情報漏えい対策の新製品「Symantec DLP 10」を発表した。外部製品との連係や日本語を含む言語対応を強化している。

» 2010年02月08日 17時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シマンテックは2月8日、情報漏えい対策製品の最新版「Symantec Data Loss Prevention 10(DLP 10)」を発表した。50以上の機能強化を図ったという。

 最新版の主な特徴は、外部製品との連係や日本語環境を含むマルチ言語対応の強化となる。製品担当の金野隆プロダクトマーケティングマネジャーは、「情報漏えいの原因の多くが従業員の過失や業務プロセスの不備によるもの。重要情報の漏えいを抑止するだけでなく、適切に保護するためのプラットフォームとして提供したい」と製品の狙いを説明した。

 外部製品との連係は、同社セキュリティ対策製品およびサードパーティーのセキュリティ製品やリポーティング製品との間で可能になった。DLP 10で検出した情報漏えいにつながる恐れのあるユーザーの行為に対し、外部製品の機能を自動的に適用させるといったアクションが可能になる。

製品連係のイメージ

 例えば従業員がPCからUSBメモリへ重要データを書き出す場合に、DLP 10が行為を検知すると、エンドポイント向け統合セキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」のデバイス制御機能を実行させて書き出しを中止させる、もしくはPCをロックして従業員へ確認するなどの対応が取れる。

 サードパーティー製品との連係では「FlexResponse」という機能を利用して、DLP 10で検出したデータに対し、PGPやOracle、Microsoft、Liquid Machines、Giga Trustなどの暗号化機能やデジタル著作権管理機能などを適用できるようになる。またリポート機能の連係も強化し、同社の「Control Compliance Suite」「Security Information Manager」を利用してコンプライアンスに対する状況を確認できる。Reporting APIによって、他社製のビジネス分析(BI)ツールなどにリポート内容を提供するという。

 マルチ言語対応では、コンテンツ検出などにおけるサポート言語を従来の18カ国語からチェコ語やブラジルでのポルトガル語など25カ国語に拡張。また、日本語および中国語(簡体字)、フランス語のランゲージパックを追加し、管理コンソールやユーザーに対する警告メッセージを英語以外でも表示できるようにした。

製品にランゲージパックを導入することで管理用インタフェースを日本語化できる

 コンテンツ検出では、日本語の姓名や郵便番号、電話番号、銀行口座番号、クレジットカード番号などの個人情報、J-SOX関連法および個人情報保護法に該当する情報を検出するためのテンプレートを搭載した。ユーザーがファイル形式などによって独自に検出したいコンテンツを設定できるカスタマイズ機能も搭載する。

 このほかTLSをサポートしており、外部のメールサービスに対してDLP 10での情報漏えい対策を適用できるようになった。同社ではメッセージラボによるサービスとの連係を推奨している。

 製品価格は、DLP 10で監視対象とする領域や内容、ユーザー数などによって異なる。参考例として、ユーザー数1000人の企業でエンドポイントを中心にデータを保護する場合のコストは約1200万円になるという。

 金野氏は、「マルチ言語対応や重要データの漏えいリスクに対してさまざまなアクションが取れるようになったことで、グローバル企業や大規模企業での情報漏えい対策の強化を支援できるだろう」と述べている。

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

過去のセキュリティニュース一覧はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ