Software AG、メインフレームのWeb化を図る新アプリケーション開発ツールを発表CeBIT 2010 Report

独ハノーバーで開催されているCeBIT 2010で、ソフトウェア大手の独Software AGは、Eclipseベースのアプリケーション開発ツールセットを発表した。

» 2010年03月04日 02時16分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 独ハノーバーで開催されているCeBIT 2010で、ソフトウェア大手の独Software AGは3月2日、Eclipseベースのアプリケーション開発ツールセット「NaturalONE」を発表した。メインフレームなどさまざまなアプリケーションから個別機能をWebサービスとして切り出し、新たなアプリケーションを開発するSOA(サービス指向アーキテクチャ)のアプローチにより、新たなBPM(ビジネスプロセスマネジメント)環境の構築を支援する。

Software AGのエグゼクティブボードメンバーで、製品担当のピーター・キューピック氏は3〜5年に1度実施するというSoftware AGの大型買収について、ビジネスプロセスを統合する際に必ず問題になる「データマネジメントを解決するベンダー」が1つの選択肢になると話した

 NaturalONEの対象ユーザーは、Software AGが提供する開発言語である「Natural」や、COBOL、Javaなどのアプリケーション開発者としている。メインフレームをはじめ、UNIX、Linux、Windowsなどの主なプラットフォーム上のアプリケーションからもWebサービスを作成でき、Ajaxによるリッチなインタフェースを備える新たなアプリケーションを開発できる。

 一方、NaturalONEで開発したアプリケーションが参照、更新するデータベースについては、Software AGのメインフレーム向けデータベースである「Adabas」をはじめ、DB2、Oracleなどをサポートしている。

 Software AGがNaturalONEを提供する背景には、日本と同様に欧州企業もメインフレームをオープン化する必要に迫られていることが挙げられるという。今後メインフレームを扱える技術者の不足が予想される中で、重要なシステムを若手技術者でも運用できるようにしておかなくてはならない。

 Gartnerのリサーチバイスプレジデントであるジム・タガン氏は「世界中の企業が今もCOBOL、Natural、PL/1といった言語で開発したアプリケーションによって、重要なビジネスプロセスを構築している」と指摘。こうした既存の資産を生かしながらも、新たなアプリケーションを開発する必要があると指摘している。

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