Facebookスパムの成功率はどれくらいなのか?

新たな脅威としてFacebookスパムが話題となっているが、それらは実際どの程度効果的なものなのか。コンバージョンレートなども考えながら、この手法について考察してみよう。

» 2010年08月25日 18時42分 公開
[sean sullivan,エフセキュア]

 Facebookスパム(誤ってスキャムと呼ばれる)がこのところニュースになっている……。

 そしてわれわれは、「ウイルスのように広がる」リンクに対するあらゆる対応が、どの程度効果的なのか疑問に思っている。コンバージョンレートはどのくらいなのか? リンクはウイルスのように広がるというが、だからどうなのか? それはプロセスの中の1つのステップに過ぎない。実際に何人の人が、金もうけのCPA調査に記入を行ったのか?

 以下は、英国のサッカー選手ピーター・クラウチをエサとして利用しようとする、最近のスパムの例だ。

 「気に入った(Like)」としているのはたった269人、というのはたいして興味をそそらないが……。

 しかし、右下の隅にあるあれは何だろう? 何らかのカウンターだろうか?

 なるほど、このスパマーは「http://whos.amung.us」という統計サイトを使用しているのだ。

 以下が、同サッカースパムのダッシュボード表示だ。

 このスパムで記録されたアクションは、1時間に208ヒットが最高だ。

 以下は、マクドナルドのアンハッピーな「Happy Meal」に関する、よりポピュラーなスパムだ。

 このスパムは拡散のため、Facebook上でbit.lyリンクを使用している。

 このリンクは「http://happytruthblog.co.cc」に導くもので、3万2000回以上クリックされている。この統計は「気に入った」の数も示している。「気に入った」のクリックで、コンバージョンレートは? 1つのリンクで約40%、他方では約48%となっている。

 ダッシュボードでは、トラフィックが上首尾を反映している。

 40%は、素晴らしいコンバージョンレートであり、電子メールスパムよりはるかに良い。

 しかし、われわれは2カ月前に、何十万ものクリックを得たウイルスリンクの例を目撃したが、3万2000回というクリックはこうした類似するスパムと比較するとはるかに少ない。

 人々が危険にさらされるにつれ、リターンは減少し、抵抗が高まり、Facebookスパムがどのようなものか認識される。

 実際、スパマー自身、このことを知っているようで、人々を納得させるべく、さらに努力している。

 「Happy Meal」スパムのこのバージョンは、「調査を完了する必要はない」と約束している。

 そして「気に入った」とダッシュボードの統計とが、その約束の効果を反映している。

 しかし、これはスパマーではおなじみのウソだ。

 このページには、アンチスパムボット「テスト」があり、これは名前は違うものの調査なのだ。

 ページを閉じよう。だが、これは何だ?

 スパムフリーのマーケットリサーチ調査を完了するのに1分のお時間を、だって?

 信じられない。

 スパマー連中め! 彼らがJavaScriptで何を隠ぺいしようとしているのか、見てみよう。

 以下は、スパムページのページソースだ:

 このページを「気に入った」や、Facebookで友だちと「シェアする」という部分ではなく、「ステップ3」にスキップし、「/reveal.html」をオープンしよう。

 うーん、これは「widget.php」のリファレンスを示している。

 そして「widget.php」のページソースが、最終的な結果を示す。

 何だって? 本当に? この「Happy Meal」ストーリーは、2007年11月に話題になったものだった? これはこれは……。

 これらのまぬけなスパマーがプッシュしている「無料コンテンツ」がこのタイプのものなら、彼らの骨折りに対するリターンが減少しているのは驚くべきことではない。冗談にもほどがある。

 われわれが今日検証したほかの2、3の例では、ビデオがエサ(video.php)に使用されていた。これらのスパムページは、最終的にYouTubeビデオにリンクされているが、それらの表示統計は、埋め込まれたソースから数十の表示を示すのみだ。

 これは良いニュースだ。データの検証によれば、実際に調査に記入を行う「ステップ3」に進んだ人の数はどんどん減少していることが分かる。大多数の人は、そのページを「気に入った」とした直後に、あるいはリンクをシェアした直後に、同プロセスを離脱している。

 しかし、悪いニュースもある。

 ソーシャルネットワークのスパマーは、自分たちの労力の報酬を得るのに、大勢の人々をだます必要はない。調査の多くはSMSの登録(特に米国外の)へと導き、かなりのもうけが期待できるのだ。そして、電子メールスパムよりもコンバージョンレートが良いことを考えると、いますぐなくなることはないのは確かだろう。

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