携帯端末から社内アクセスを利用する企業は3割強に、検討中も2割に上る

IDC Japanの「国内モバイルワーキング 企業ユーザー調査」によれば、スマートフォンやモバイルPCから社内システムへのアクセスの利用意向を持つ企業は半数に上ることが分かった。

» 2010年09月10日 08時05分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 IDC Japanは9月9日、調査レポート「国内モバイルワーキング 企業ユーザー調査結果」を発表した。携帯電話やポータブルPC、スマートフォンなどのモバイル端末から社内システムにアクセスする利用意向を持つ企業が50.3%に上ることが分かった。

 同社によると、モバイルワーカー全体の中で、企業に雇用され、仕事をするオフィスを持ち、かつ外出先や自宅などオフィス外で就業時間の20%以上の業務を行う「モバイルプロフェッショナル(オフィス型)」の人口は、2009年末で960万人と推定され、就業人口の15.4%に達するという。

 調査は、企業ユーザー768社に利用動向や受容性などのアンケート調査を行った。ユーザーが利用しているアプリケーションは、「電子メール」「スケジュール管理」「グループウェア」が多く、将来的にWeb会議などのリアルタイムコラボレーションの利用に意向を示す傾向にあった。導入時の課題は、「データ通信料金」「セキュリティ対策」「紛失などの情報漏洩対策」が上位を占めた。

 モバイルワーキング市場の動向について、IDCでは「成長市場ではあるものの、当面の成長は緩やかになる」と分析している。

 またユーザー事例調査を行い、モバイルワーキングの導入目的は「コスト削減/効率向上」「労働力の確保」「ダイバーシティ人事施策」の3つに分類されることが分かった。企業はこれらのステップを段階に踏んでいくという。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティグループ リサーチマネージャーの眞鍋敬氏は、「企業が導入する場合、目的やアプローチ方法を明確にすることが重要。ベンダーや通信事業者はモバイルワーキングへの適合性が高い企業セグメントでの導入実績を増やし、ユーザーのバックオフィスIT化を含めたコンサルテーションを行うことなどが重要だ」と分析している。

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