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» 2010年10月08日 07時35分 公開

大手企業のグローバル化とクラウド化の支援を狙うマイクロソフトの営業活動

マイクロソフトは、売上規模が上位の企業を対象とするエンタープライズ市場での営業の取り組みついて説明した。

[國谷武史,ITmedia]
執行役常務の平野拓也氏

 マイクロソフトは10月7日、エンタープライズ市場での営業展開に関する記者説明会を開催した。執行役常務 エンタープライズビジネス担当 平野拓也氏が、組織改革への取り組みや顧客企業の事例、今後の事業方針を紹介した。

 平野氏が統括するエンタープライズビジネス部門は、売上高の規模が上位300社の大手の企業顧客を受け持つ。業種別の営業部門やパートナー部門、技術部門など7つの組織で構成され、10月現在で約500人が在籍する。

 エンタープライズビジネス部門の営業活動は、システムインテグレーターなどのパートナー企業と一体になった「ハイタッチセールス」が最大の特徴であるという。従来はソフトウェアベンダーという立場から、同社が顧客企業と直接的な関係を築くケースは少なかった。だが、近年は顧客企業の経営戦略におけるITの役割が増し、ベンダーとしての立場からも顧客との密接な関係作りが必要になったと、平野氏は説明する。

 「日米の企業のCIOに尋ねると、主要な関心事はコスト削減と生産性向上、イノベーションの創造、グローバル化だった。これらの課題を解決するためのITの活用方法に注目しており、ベンダーにはソリューション提案者としての役割が求められている」(平野氏)

 顧客企業のニーズの変化を受けて、過去数年間は組織改革に取り組んだという。

 以前であれば、顧客企業に何人もの製品やサービスの担当者が出向くというシーンが珍しくなかった。現在では少数で顧客企業担当し、担当者を支援するチーム構成をとっている。「顧客と関係作りは非常に地味な活動を積み重ねていくしかない。成果がようやく見え始めた段階」と平野氏は強調する。

営業活動における顧客企業へのアプローチ

 例えば、「グローバルプログラム」という顧客企業を世界規模で支援する制度では、米Microsoftが顧客企業と直接契約を結び、マイクロソフトが国内での支援を提供するという形態を組む。顧客企業の1社である野村ホールディングスは、Microsoftによる24時間体制サポートを世界規模で利用する。NTTドコモは、約6万台のPCが利用するイントラネットの運用管理やライセンスに、この制度を利用している。2010年から3年間の契約を結んだ日産自動車は、Microsoft製品のグローバル展開をこの制度を利用して実施していく計画であるという。

日産自動車との取り組み事例

 今後の事業方針では、7月に樋口泰行社長が表明した2011年度の経営方針に基づき、「オンプレミス+クラウド」による柔軟性の高いシステム環境の導入提案を強化する。大手企業におけるクラウドサービスの本格普及を狙う。

 国内でのオンラインサービスの利用実績は、プラットフォームサービスの「Windows Azure Platform」が米国に次ぐ規模であり、OfficeやExchangeなどを利用できる「Business Productivity Online Standard Suite」(BPOS)は6月時点で25万ユーザーに達した。エンタープライズビジネス部門には50人のクラウド専属の担当者がおり、クラウドサービスの利用促進を図る。

 平野氏は、クラウドのような新たなIT企業を顧客企業が導入する上で、ベンダーとパートナーが一体となって顧客企業と「顔の見える関係」を構築していくことが重要だと話す。「クラウドをベースにした新しいビジネスモデルを提案してきたい」(同氏)と述べている。

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