PDFを統合したGoogle Chrome 8が安定版に――開発者版はセキュリティ強化

Webブラウザの更新版「Google Chrome 」8では深刻な脆弱性が多数解決された。開発者向けのバージョンではFlash Playerのサンドボックス化も実現した。

» 2010年12月03日 07時51分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米Googleは12月2日、PDF閲覧機能を組み込んだWebブラウザの更新版「Google Chrome 8.0.552.28」を安定版としてリリースした。一方、開発者向けのバージョンではAdobeのFlash Playerプラグインにも「サンドボックス」と呼ばれるセキュリティ措置を施し、ユーザー保護の強化を図っている。

 安定版となったChrome 8には新たにPDFビューワが組み込まれ、PDF閲覧のためのソフトやプラグインを個別にインストールしなくても、ChromeでPDFを閲覧できるようになった。PDFはChromeのサンドボックスという保護領域内で動作させ、脆弱性を突いた攻撃などを食い止める。

 Chromeの脆弱性は計13件を解決。このうち4件が危険度「高」の脆弱性で、履歴や動画、SVGアニメーションなどの処理方法に問題があった。

 一方、開発者向けのバージョンではAdobeと協力して、Windows版においてFlash Playerのサンドボックス化を実現した。Flash Playerの脆弱性を突いた攻撃の増加などに対応したもので、サンドボックス内で動作させることにより、悪質プログラムがシステム上の重要な領域にアクセスできないようにする。Googleは「マルウェアからユーザーを保護するための重要な第一歩」と位置付けている。

 Flash Playerをサンドボックス化した更新版は開発者向けに間もなく自動配信するという。現時点で対応しているのはWindows XP/Vista/7のみだが、いずれ全OSでの実現を目指すとしている。

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

過去のセキュリティニュース一覧はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ