GoogleがHTML5のビデオコーデックH.264のサポートを終了すると発表したことを受け、Microsoftの社員がこの発表ブログを「Google合衆国大統領」が国民に英語の利用を禁じ、エスペラントを公用語にするとした発表文に書き換えたパロディを公開した。
「英語が会話に占める役割は大きいが、オープンなイノベーションというわれわれの目標のために、今後この国で英語をコミュニケーション手段として使うことを禁じる」――米GoogleがChromeブラウザでのH.264サポート終了を発表したことを受け、米MicrosoftのMSDNブログに1月12日(現地時間)、同社の社員がGoogleの公式ブログのパロディを投稿した。
Googleは昨年5月、HTML5のビデオコーデックのH.264はオープンではないとして、オープンソースのビデオコーデックを推進するプロジェクトWebMを立ち上げ、Microsoftもこれに賛同している。だが現在ネット上にはH.264でコーディングされたコンテンツが多数存在し、WebMに賛同しない米Appleは自社ブラウザのSafariでH.264のみをサポートしている。
Microsoftのパロディは、このような状況でH.264のサポートを打ち切ってWebMとTheora(オープンソースのコーデック)のみの利用を強要することを、米国の大統領が国民に向かって英語の利用を禁じ、人工的に作られた言語であるエスペラントを公用語に制定するというシナリオに書き換えたものになっている。
ブログにはH.264、HTML5といった用語はいっさい出てこないが、エスペラント、クリンゴン(スタートレックで宇宙人が使う架空の言語)、英語にそれぞれWebM、Theora、H.264の公式サイトへのリンクが張ってある。最後は「この決定の実施は2カ月後になるが、エスペラント以外の言語を使っている国民に世界の図書館(のコンテンツ)を翻訳する期間を与えるために今発表した」と結ばれており、「世界の図書館」の部分にはH.264がWeb動画の66%を占めているという2010年5月のTechCrunchの記事へのリンクが張られている。
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