メーカーやバージョンが異なるデータベース製品でもリアルタイムのデータの連携・統合が行える。
日本オラクルは1月25日、データ連携・統合ツール製品の最新版「Oracle GoldenGate 11g」の提供を開始した。データベースの移行・統合やリアルタイムでの情報連携を可能にする。
Oracle GoldenGate 11gは、米Oracleが2009年7月に買収したGoldenGate Softwareのデータ統合製品をベースに開発したもの。国内での本格的な提供は初めてとなる。OracleやMicrosoft、IBM、Sybaseなどのデータベース製品に対応し、メーカーや製品のバージョンが異なる場合でも、双方向での同期、片方向でのデータ複製、ログの高速転送が行える。
主な用途は、(1)データベースの移行・アップグレード、(2)リアルタイムのデータ連携、(3)リアルタイム分析、(4)クラウド利用を含むシステムの拡張――という。データ連携の時間を短縮することで、鮮度の高い情報分析、意思決定の迅速化、ビジネスの機会損失の解消、作業プロセスの改善とコスト削減といったメリットをもたらすとしている。
GoldenGateのユースケースとして、同社が顧客企業と試験的に行ったデータベースの移行プロジェクトでは、旧システム(Oracle Database 9i)から新システム(同11g)への切り替えに伴うアプリケーションのダウンタイムが5分程度であったという。
この企業はECサイトの運営を手掛けており、長時間のダウンタイムは商機を逃すことにつながる。移行の際に、まず旧システムのメインデータを新システムにオフラインコピーし、その後に発生したデータ(差分データ)は、前バージョンの「GoldenGate 10g」を利用して、リアルタイムに新システムに反映させるようにした。
常務執行役員の三澤智光氏は、「新製品はシステムインテグレーションの現場が求める機能を実現したもの」と特徴を紹介。将来的にデータウェアハウスとビジネス分析(BI)ツールとの連携、また、クラウドサービスとして提供される外部データベースと自社データベースとの連携などで、利用が見込まれるという。
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