電子カルテに格納されているさまざまなテキストデータや時系列データを分析するために、東邦大学と日本IBMは協業した。
東邦大学と日本IBMは6月6日、医療分野の情報分析に関する研究で協業したと発表した。双方のノウハウを集積して電子カルテシステムのテキスト情報や時系列データなどを分析する。
具体的には、東邦大学医療センター大森病院の医療・医学分野におけるノウハウと、IBM東京基礎研究所のテキスト分析、プロセスセマンティック技術などを用いて、電子カルテに格納されている患者情報や診察記録などのさまざまなテキストデータ、時系列データを分析する。これによって、診療プロセスやパスウェイのパターン抽出および発見を目的としたツールの研究開発などを行う。
例えば、電子カルテの診療記録中には、さまざまな表現で「血圧」情報が記述されているが、テキスト解析によって最高・最低血圧などの数値データを抽出し、検索や分析に応用できるようになる。また、手術や投薬といった連続するイベントを患者集団や疾患ごとに集約・分析することで、あるグループに特有の高頻度パターンの発見や、効果的な診療プロセスの確認が可能となる。
今回の協業は、IBMの研究者と顧客が協力しながら先進的なソリューションを作り出す「First-of-a-Kind(FOAK)プログラム」の一環。東邦大学との研究期間は2011年4月から12月を予定している。
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