クラウドと仮想化へのセキュリティ意識は? トレンドマイクロが世界で調査

企業のIT担当者1200人を対象に行った調査では、「インフラとデータ」が課題となる傾向がみられた。

» 2011年07月29日 14時14分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 トレンドマイクロは7月29日、世界6カ国の企業のIT担当者1200人を対象に実施したクラウドや仮想化に関する意識調査の結果を発表した。クラウドの導入について、インフラとデータのセキュリティが課題と考えるユーザーが多いことが分かった。

 この調査は、5月に日本、米国、英国、ドイツ、カナダ、インド(各国200人)で、従業員数500人以上の企業や組織に所属するITシステム導入の意思決定権限を持つ担当者を対象に行った。

 クラウドの導入状況では、パブリッククラウドの導入率が海外37.3%、国内21.0%、プライベートクラウドの導入率が海外37.6%、国内26.0%だった。サーバ仮想化の運用有無からみた国内でのクラウド導入率は、サーバ仮想化を導入していない企業ではパブリッククラウドが14%、プライベートクラウドが11%、運用中の企業ではパブリッククラウドが53%、プライベートクラウドが51%だった。

 クラウドを採用する上でのリスクや障害については、国内の60.0%、海外の48.5%が「データやインフラストラクチャセキュリティへの関心」を挙げた。なお海外では48.8%が「クラウドサービスの性能、有効性、使用可能時間」を挙げ、利用効果に対する関心も高い様子がうかがえる。過去12カ月にクラウド利用で経験したセキュリティ問題では、国内の44.0%、海外の42.7%が「会社が使用しているサービスに関するデータセキュリティの不備や問題」を挙げていた。

クラウドを採用する上でのリスクや障害(国内)。出典:トレンドマイクロ

 仮想デスクトップ基盤(VDI)の導入状況では、「運用中(試験を含む)」が国内で42.0%、海外で54.3%に上った。「今後12カ月以内に展開を計画」では国内が10.0%、海外が28.9%。「展開の計画なし」では国内が19.0%、海外が5.6%だった。国内での導入理由の最多は「セキュリティの改善」の61.0%だった。

 VDIや仮想化に関する見解として、「VDIにはより厳しいセキュリティ手段が必要」という意見では「大いに同意する・同意する」と答えたのは国内で57.6%、海外で65.2%となった。また、「仮想化に使用しているハイパーバイザーの安全性に自信を持っている」との見解では「大いに同意する・同意する」が国内で46.4%、海外で77.2%、「どちらでもない」は国内で46.4%、海外で15.6%と開きがみられた。

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