中国人民解放軍開発のサイバー攻撃ツール、国営放送の番組で明るみに

中国国営放送で公開されたドキュメンタリー番組に、中国政府のシステムから米国内の標的に対してサイバー攻撃を仕掛ける場面が登場するという。

» 2011年08月24日 07時39分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 中国の国営テレビで公開されたドキュメンタリー番組に、人民解放軍が米国内の組織に対してサイバー攻撃を仕掛ける場面が出てくることが分かったと、米国などのメディアが伝えている。

 F-Secureの8月23日のブログによると、問題のドキュメンタリーは中国国営テレビで7月に公開された。内容は軍の技術紹介とサイバー戦争の可能性について解説する一般的なものだが、この中で、中国政府のシステムから米国内の標的に対して攻撃を仕掛ける場面が登場するという。

 この場面には人民解放軍の情報工科大学が登場し、攻撃用ソフトウェアで目標を選択する画面が映し出される。標的は中国で非合法組織に指定されている気功集団「法輪功」だが、攻撃目標に選ばれたIPアドレスは米国の大学のものだったという。

 過去に発生した大規模なサイバー攻撃をめぐって、中国から仕掛けられているのではないかとの観測が浮上することは何度もあったが、実際に証明されたことはほとんどなかった。しかしF-Secureでは、今回の映像はその新たな証拠になると指摘する。

 番組に登場する攻撃用ソフトウェアは人民解放軍の情報工科大学で開発されたものとされ、そうしたソフトウェアの存在が明るみに出ただけでも大きなニュースだと同社は解説している。

人民解放軍の関連機関が開発したとされる攻撃ツール(F-Secureより)

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