Adobe、「Flash Media Server 4.5」でiOSへのFlash動画配信を可能に

サーバ側でコードを変換することで、Flash非対応のiPadやiPhoneにもFlashコンテンツを配信できるようになる。

» 2011年09月12日 08時43分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Adobe Systemsは9月8日、オランダのアムステルダムで開催中の放送機器関連展示会「IBC 2011」において、Flash動画のストリーミング配信サーバソフト「Flash Media Server 4.5」を発表した。新バージョンで、米AppleのiOS端末(iPadおよびiPhone)に対応した。

 Flash Media Serverは、ライブおよびオンデマンドでのストリーミング動画配信を可能にするサーバソフト。米Disney.comや先ごろ日本でもサービスを開始した米Huluなどのコンテンツサービス大手も採用している。また、米Amazon.comと提携し、AWSでの提供も行っている。

 バージョン4.5で、Adobe Flash Playerに対応する端末(PCやMac、Android、BlackBerry)に加え、Flash非対応のiOS端末への配信が可能になった。iOS向けにはサーバ側でFlashコンテンツを「HTTP Live Streaming(HLS)」フォーマットに変換して配信する。このほか、メディアをオンデマンドでパッケージ化することで、1回のエンコードで複数のプラットフォームに配信できるようになり、コンテンツ保護機能も統合された。

 Flash Media Serverには「Streaming Server」「Interactive Server」「Enterprise Server」の3種類があり、価格は個人およびSOHO向けのStreaming Serverが11万5500円から(アップグレード版は2万9000円から)。Adobeのオンラインストアから購入できる。

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 Adobeは同日、コンテンツ保護ツール「Adobe Flash Access 3.0」も発表した。同ツールで保護したコンテンツをAdobe Flash PlayerやAdobe AIRアプリケーションに配信することで、セキュリティを確保してFlashコンテンツを再生できるという。また、サブスクリプションやレンタルなどの多様なコンテンツ提供モデルに対応する使用権管理機能を備える。

 バージョン3.0で、Android搭載のタブレットとスマートフォン、BlackBerry端末などのモバイルに対応した。また、クラウドベースのデジタル著作権ロッカーシステム「UltraViolet」と互換になり、ユーザーは仮想ビデオライブラリを作成し、複数の端末でこれらを利用できるようになる。

 Flash Access 3.0は、今四半期(9〜11月期)中に予定されている「Adobe Flash Player 11」および「Adobe AIR 3」のリリースに合わせて発売の見込み。ユニット当たりのCPM価格で提供される。

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