サンブリッジ、クラウドセキュリティ分野で米国ベンダー2社と事業展開

暗号化ベンダーのCipherCloudおよび認証ベンダーのSecureAuthと提携し、2012年春からクラウド向けのセキュリティ事業を展開する。

» 2011年12月12日 16時36分 公開
[國谷武史,ITmedia]
サンブリッジのマイナーCEO

 サンブリッジは12月12日、データセキュリティベンダーの米CipherCloudおよび認証ベンダーの米SecureAuthとの業務提供を発表した。2社の製品・サービスによるクラウドコンピューティング向けのセキュリティ事業を2012年3月から展開することを明らかにした。

 CipherCloudは2010年に創業し、オンプレミス(自社保有)システム上のデータをクラウドコンピューティング環境へと展開する際に、リアルタイムに暗号化処理を行う仕組みを提供する。暗号鍵をユーザーが自前で管理することで、データがクラウド外に流出しても悪用されない対策を講じられるという。

CipherCloudのカサリCEO

 SecureAuthは2005年の創業で、ワンタイムパスワードによる二要素認証とシングルサインオンの認証連携ソリューションを展開する。オンプレミス環境やパブリッククラウド環境にある複数の情報サービスを利用する際に、一度ログインすれば、サービス間で直接ユーザー情報をやり取りしなくても、それぞれのサービスを利用できる仕組みを提供している。

 事業展開についてサンブリッジのアレン・マイナー 代表取締役社長兼CEOは、企業でのクラウドコンピューティング利用が広がりつつあるものの、セキュリティに対する懸念が根強く残っていると説明し、「米国で最先端のソリューションを手掛ける2社のサービスを日本企業に提供したい」と表明した。

SecureAuthのランドCEO

 CipherCloudのプラヴィン・カサリ創業者兼CEOは、クラウド上に展開する前にユーザーの環境でデータを暗号化し、ユーザー自身が暗号鍵を管理する仕組みにすることで、データ保護を強化できると説明。「例えば、米国の大手銀行では住宅ローン審査に関する個人情報を当社の仕組みでクラウド環境に保存している。オーストラリアの大手銀行ではSaleforce.comで利用する顧客情報を当社の仕組みで保護している」と事例を紹介した。

 またSecureAuthのグレイグ・ランドCEOは、米連邦政府やJetStar、米保険大手Blue Cross Blue Shieldなどの顧客事例を紹介し、「安全性を確保しつつ、クラウドの利便性を損なわない仕組みを安価に提供できる」と語った。

CipherCloudの仕組み。仮想アプライアンスやパブリッククラウド上でも動作する(左)。SecureAuthの二要素認証ではワンタイムパスワードをさまざまな手段でシステムからユーザーに通知可能

 サンブリッジでは2社と国内ユーザーへのサポート体制などの準備を進め、2012年春から本格展開するとしている。

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