2016年に売上高を50%増の780億円超とする中期目標を発表した。
トレンドマイクロは3月26日、2012年の企業顧客向け事業に関する戦略説明会を開催した。ソリューションビジネスやサービスビジネスの強化を図ることで、2016年の売上高を780億円超とする中期目標を表明した。
会見したエバ・チェン最高経営責任者は、2012年の注力分野に「クラウド」「(企業IT分野の)コンシューマ化」「コントロール&リスク」を挙げ、同社のクラウドベースのセキュリティ解析基盤「Smart Protection Network(SPN)」や仮想化、モバイルなどのセキュリティ製品やサービス、ソリューションの展開を強化する方針を説明。
「APT」と呼ばれる企業内システムへの攻撃を執ように継続する脅威などに対して、SPNと統合型サーバセキュリティソリューション「Trend Micro Deep Security」の最新版を組み合わせた脅威検出などの仕組みを提供するほか、4〜6月期にSSLサーバ証明書の発行サービスを開始することなど明らかにした。
日本市場での戦略について説明した大三川彰彦取締役副社長は、2011年8月に組織した「ソリューション事業本部」を中心とするソリューションビジネスを通じて、2014年の総売上高を25%増(2011年実績に対する受注ベースの成長率)の650億円超、2016年では同50%増の780億円超とする中期目標を掲げた。
「100人以上の顧客企業のCIOに直接ヒアリングを行い、彼らの課題や要望に迅速かつ、きめ細やかに対応するために、開発やセールス、マーケティング、サポートの各担当者が“アジャイル”式に行動できる体制を敷いている」(大三川氏)という。
また、サービスビジネスではシステムインテグレターや通信サービス事業者などパートナー経由によるセキュリティサービスの提供規模を拡大する。この領域では中小企業向けの「ウイルスバスター ビジネス セキュリティ サービス」をベースにパートナー各社が独自の内容を付加したサービスの利用が急拡大しているという。
大三川氏はこのほか、セキュリティ脅威の将来予測に関する分析を行う「セキュリティインテリジェンスセンター」も設立し、セキュリティ情報の発信をより強化すると述べた。
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