マーク・ザッカーバーグCEOはインタビューで、肝臓移植を受けて一時的に回復した故スティーブ・ジョブズ氏との友情が、この機能追加の発端になったと答えた。
米Facebookは5月1日(現地時間)、ユーザーがタイムラインで自分が臓器提供者であることを表示できる機能「Organ Donor status(日本では「臓器提供ステータス」)」を追加したと発表した。
マーク・ザッカーバーグCEOとシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)は連名で公開したプレスリリースで、人々をつなげ、情報を共有することが目的であるFacebookは東日本大震災などの災害時にコミュニケーションと問題解決のため役立ってきたが、さらに世界規模の社会問題を解決するためのツールを構築していきたいと説明する。
臓器提供ステータスはその一環という。現在、米国だけで11万4000人以上の人々が臓器移植を待っており、1日当たり平均18人が移植を待ちながら亡くなっている。医療専門家は、臓器移植への関心が高まり、提供者が増えればこうした問題の解決に役立つと考えており、Facebookは、ユーザーが自分が臓器提供者だと発表することで、共有と接続のパワーが問題解決で重要な役割を担えるとしている。
既に臓器提供者であるユーザーは、タイムラインの「ライフイベント」→「健康」に新設された「臓器提供者」を選び、公開範囲を設定して保存する。これで、基本データの「この年にあったこと」とタイムラインに臓器提供者として登録したことが表示される。同機能は今のところ米国と一部の国でのみ利用でき、本稿執筆段階、日本ではヘルプは存在するが選択項目はまだなかった。
まだ臓器提供登録をしていないユーザーに対しては、公式機関へのリンクが表示される。
同日米ABC Newsのインタビューを受けたザッカーバーグ氏は、すい臓がんで肝臓移植を受けて闘病した後亡くなった米Appleの故スティーブ・ジョブズ氏との友情と、小児科医を目指しているパートナー、プリシラ・チャン氏から聞いた心臓移植を受けて元気になった子供の話に触発されたことがこの機能の発端となったと説明している。
日本では本稿執筆段階、臓器提供者の表示が見えないようだが、米Forbesによると、サンドバーグ氏は2012年に臓器提供者になっており、ザッカーバーグ氏は少なくともまだ一般に臓器提供者ステータスを公開していない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.