シマンテックが新施策発表、人材育成やアプライアンス、モバイル事業を展開へ

シマンテックが2013会計年度(2012年4月〜2013年3月)の経営戦略を発表。人材育成やデータバック、クラウド/モバイル関連の新規事業を展開する。

» 2012年06月20日 14時35分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シマンテックは6月20日、2013会計年度(2012年4月〜2013年3月)の経営戦略を発表した。新規事業ではセキュリティ技術者の育成やデータバック用アプライアンスの販売、クラウド/モバイル関連の新サービスなどを計画する。

河村浩明社長

 会見した河村浩明社長はまず2012会計年度を振り返り、国内業績が前年度比17%増の2年連続2けた成長を達成したと報告。特に法人向けビジネスではセキュリティおよびデータ保護関連ソリューションの中小企業顧客向け販売が好調に推移し、中堅・大企業顧客の新規獲得にも成功したという。全国規模での販売代理店網の拡充、また富士通、NEC、日立製作所などとのOEMビジネスの拡大といったパートナー施策が貢献したと述べた。

 2013会見年度の経営戦略は、前年度に掲げた(1)販売代理店経由での販売シェアの拡大、(2)OEMパートナーとの組み込み型ソリューションの展開、(3)大企業顧客におけるビジネス強化、(4)クラウドサービス――の4本柱を継続するとしている。

 新規事業は企業でのセキュリティ技術者育成を支援する「シマンテック・サイバーディフェンスアカデミー」の創設、データバックアップソフト「NetBackup」のアプライアンス版の発売、クラウド関連として認証・アクセス管理「Symantec O3」やモバイルデバイス管理「Odyssey」、モバイルアプリ・データ管理「Nukona」などを、9月以降に順次展開する。

企業顧客向けの重点施策

 シマンテック・サイバーディフェンスアカデミーでは、サイバー攻撃の解析や検知技術などの内容で現場技術者が対象の「Treat Detection」、インシデント対応などの内容で管理職が対象の「Cyber Incident Response & Recovery」の2コースを9月から提供。演習を交えた5日間計35時間の講習となり、参加費は1コース1人当たり50万円程度(税別)となる。

 NetBackupアプライアンスはデータバックアップ環境の統合を支援するものといい、オンラインストレージサービスとも組み合わせてソリューションとして展開する。Symantec O3は米国では提供を開始しており、SaaSなど外部のクラウドサービスをシングルサイオンで利用するためのID連携やアクセス制御、ポリシー管理、コンプライアンス管理の仕組みを年末までに提供するとしている。

 OdysseyおよびNukonaは米Symantecが2012年3月に買収した企業。個人所有の情報端末を業務に利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」のソリューションとして提供する予定で、端末やアプリケーション、個々のデータをプライベートとビジネスで切り分けた形で、それぞれに適切な管理手段とセキュリティ対策を実装できるという。

BYOD分野のポートフォリオ。「BYOA(Aはアプリケーション)」というアプリケーションやデータ管理も取り入れたコンセプトを打ち出す

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