デル、仮想化基盤の迅速な立ち上げを支援するパッケージ発売

仮想化インフラを迅速に立ち上げられるよう、サーバやストレージ、ネットワーク、管理ツールなどをパッケージ化した「Dell vStart」を発売する。

» 2012年06月28日 17時56分 公開
[岡田靖,ITmedia]

 デルは6月28日、仮想化基盤に必要な機器やソフトウェアをパッケージ化したソリューション製品「Dell vStart」を発売した。仮想化基盤の構築が容易で短期間で運用を始められるのが特徴となっている。

Dell vStart

 Dell vStartは、サーバ、ストレージ、ネットワークなど各種ハードウェアと、仮想化プラットフォーム、管理ツールなどをパッケージ化したソリューション。事前にこれらをラックに搭載し、ラック内の配線なども施工した状態で出荷する。ユーザーは電源やネットワークを接続するだけで、すぐに仮想化環境を導入できるという。主に中堅中小規模の企業や、大企業のサーバ群の一部などでの利用を見込んでいる。

 仮想化プラットフォームには、VMware vSphereまたはMicrosoft Hyper-Vのいずれかを選択できる。利用規模に応じて仮想マシンを50台、100台、200台利用できる3種類のパッケージを用意。vSphere版は「Dell vStart 50v」「Dell vStart 100v」「Dell vStart 200v」、Hyper-V版は「Dell vStart 50m」「Dell vStart 100m」「Dell vStart 200m」となる。参考価格は50台向けが1456万0688円、100台向け1956万7022円、200台向けが3068万4598円(vSphere/Hyper-V共通)。

Dell vStartの製品構成。仮想マシン100台向けと200台向けは無停止電源装置(UPS)も標準搭載する。50台向けはオプション

 vStartの構成は、デルが蓄積してきたノウハウに沿って標準的な使い方に適したものになっているという。公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏は、「ジャストインタイム方式のインフラストラクチャ」と紹介した。

 「仮想化インフラの構築は、通常なら数カ月〜1年という期間が必要だが、vStartは迅速に立ち上げられる。価格面ではそれぞれのコンポーネントをそれぞれ購入するのと大差はないが、運用開始までの時間を短縮できる点が特徴。当社は毎週何百件もの仮想化環境を構築していて、そのノウハウを基に最適化なパッケージ化した。初めて仮想化に取り組むユーザーに提案したい。vStartでリソース不足が生じてもサーバやストレージを追加できるようになっている」(布谷氏)

 vStartの管理は基本的にはvSphereやHyper-Vの管理コンソールを用いるが、vSphere版では独自の管理プラグイン「Dell Management Plugin」が含まれ、高度なハードウェア管理が可能という。例えば、ハードウェア障害を検知して仮想マシンを別のハードウェアに自動的に退避させるといった運用も、スクリプトを記述などすることなく実行できるという。

プラグインでハードウェア管理機能を追加することで管理コンソールの一元化を実現

 ストレージの管理機能では仮想アプライアンスを搭載し、各ボリュームにつながる仮想マシンを識別したり、ボリュームのスマートコピーやリサイズ、レプリケーションといった操作ができる。仮想環境を別のvStartへレプリケーションすることによってDR(災害復旧)サイトの構築にも対応するとしている。

vStartによるDR環境のイメージ

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