フラッシュ製品を拡大するEMC、「全部フラッシュ」のアプライアンスやストレージアレイも

EMCジャパンが「Flash Everywhere」というフラッシュ製品の戦略を表明した。ストレージ向けSSDに始まったフラッシュ製品をサーバ領域にも展開する。

» 2012年11月15日 14時37分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 EMCジャパンは11月15日、フラッシュ製品に関する製品戦略説明会を開催した。10月に発売した「VFCache」を皮切りにサーバ分野への製品展開を図るほか、2013年にフラッシュだけで構成するアプライアンスやストレージアレイの製品計画も明らかにした。

 同社は2008年にSSDを初用した「EMC Symmetrix DMX-4」ストレージを発売して以来、ストレージでフラッシュ製品の適用を広げてきたという。マーケティング本部長の上原宏氏によれば、容量ベースでみたSSDの出荷は、2009年の3ペタバイト強から2011年は24ペタバイト強に拡大。今後はサーバ向けにも展開し、「『Flash Everywhere』という製品戦略を進める」(上原氏)と語った。

「Flash Everywhere」の製品戦略

 10月発売のVFCacheはサーバのPCIeスロットに装着して利用するフラッシュキャッシュ製品。「データベースやメモリなどメモリ使用量が小さく、読み取り頻度の高いアプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させる」(テクニカル・コンサルティング本部プロダクト・ソリューション統括部長の永長純氏)という。一方でビッグデータ処理やバックアップなどには向かないとし、VFCacheは超低遅延、高速I/Oを必要するハイエンド向け製品との位置付けだとした。

 上原氏は2013年の製品計画も紹介。多数のVFCacheを用いたアプライアンス(仮称「PROJECT THUNDER」)、フラッシュドライブのみで構成するストレージアレイ(同「PROJECT X」)を製品化し、Flash Everywhere戦略に基づくサーバおよびストレージの製品ポートフォリオを実現すると説明した。

 PROJECT THUNDERのアプライアンスは、VFCacheに比べて遅延が発生するが、ハイパフォーマンスコンピューティングやアクセス頻度の高いトランザクションデータ処理におけるパフォーマンスを大幅に向上させるという。PROJECT Xは大量の仮想サーバや仮想デスクトップを運用する環境などに対応するもので、高いパフォーマンスと信頼性を両立させるという。ストレージ領域では従来通り、SSDと大容量HDDのハイブリット構成や自動階層化技術による高信頼のソリューションを提供する。

EMCで検証したというVFCacheの適用効果

 上原氏は、「ストレージでデータのパフォーマンスも高めつつ、安全性も確保するという取り組みを進めてきたが、結果としてサーバの世界にも展開できるところまで来た格好だ。企業ユーザーに求められるフラッシュ製品をこれからも提供する」と述べた。

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