HP決算は2期連続の赤字 Autonomy買収関連含む88億ドルの評価損が響く

HPの8〜10月期の業績は前期に続く赤字となった。主力の個人向けPCの売り上げが14%減少した他、昨年約100億ドルで買収した子会社Autonomyで不正会計が発覚し、約88億ドルの減損費用を計上したことが響いた。

» 2012年11月21日 11時39分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Hewlett-Packard(HP)の業績が2期連続の赤字となった。同社が11月20日(現地時間)に発表した第4四半期(8〜10月)の決算は、売上高が前年同期比7%減の299億5900万ドル、純損益は68億5400万ドル(1株当たり3.49ドル)の損失となり、2億3900万ドルの利益を出していた前年同期から赤字転落した。前期は88億5700万ドルの赤字だった。

 主力のPC販売が低迷した他、2011年に買収した英非構造データ管理のAutonomyに関連するコスト約88億ドルが響いた。

 HPによると、Autonomyで売上高の水増しなどの不正会計が判明し、減損処理を行ったという。こうした不正会計は、買収前に行われていたとしている。同社はこの件について、米証券取引委員会(SEC)および英重大不正監視局(SFO)に報告し、提訴する意向であることも発表した。

 個人向けPCを扱うパーソナルシステム部門が前年同期比14%減の87億ドルだったことも大きく響いた。

 2013年第1四半期(2012年11月〜2013年1月)については、非GAAPベースの純利益を1株当たり94〜97セントと予想。通年の予測は、非GAAPベースの純利益を1株当たり68〜71セントとした。通年見通しは10月の発表と変わらず、非GAAPベースの1株当たり純利益を3.40〜3.60ドルとした。

 同社は現在、向こう数年にわたる再建計画に取り組んでいる。メグ・ホイットマンCEOは、2014年度末にはリストラを完了し、2016年までに復調するとしている。

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