3分野に注力、2015年度に売上高2兆3000億円を狙う 日立 情報・通信システム社

日立製作所は、情報・通信システム社の事業戦略説明会を開いた。具体的な業績目標を示し、注力していく事業分野を強調した。

» 2012年12月19日 17時38分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は12月19日、情報および通信システム事業の戦略説明会を開催した。同社 執行役専務で情報・通信システム社 社長を務める岩田眞二郎氏は、重点分野に注力し、特に海外売上高比率を伸ばすことで、「グローバルで戦える事業に育て上げる」と強調した。

日立製作所 執行役専務 情報・通信システム社 社長の岩田眞二郎氏 日立製作所 執行役専務 情報・通信システム社 社長の岩田眞二郎氏

 情報・通信システム社は2015年度の業績目標として、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを合わせた売上高が2兆3000億円、営業利益1850億円、海外売上高比率35%、サービス売上高比率65%を掲げている。2012年度の業績見通しが売上高1兆7800億円、営業利益1200億円であるため、右肩上がりの成長が求められている。それを実現するために今後注力していくのが「クラウド」「ビッグデータ」「スマート」という3つの事業分野である。

 クラウド事業は、2015年度に関連売上高5000億円という目標を掲げる。その戦略として、同社のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」を基盤にスマート事業やビッグデータ事業の各サービスなどを提供していくとともに、「ミッションクリティカルな業務や社会インフラ対応の高信頼クラウドを目指し」(情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEO 佐久間嘉一郎氏)、売り上げ拡大を狙う。

 ビッグデータ事業は、2015年度に1500億円の売上高を目指す。目標達成に向けて重点を置くのが、人の体温や脈拍、行動履歴などに関する「ヒューマンビッグデータ」、機械やシステムなどモノの稼働情報である「マシンビッグデータ」、人や車などの位置情報や地図などの空間データといった「ロケーションビッグデータ」、SNS上のテキスト情報や画像、監視カメラの撮影映像に関する「マーケットビッグデータ」、電気や水、天候などの情報となる「スマートインフラビッグデータ」という5つの分野である。

 スマート事業とは、スマートシティやヘルスケア、エネルギー、交通といった社会インフラ分野におけるITの利活用に関するものだ。国内外で関連する実証実験のビジネス展開と実案件の獲得、都市管理クラウドや需要家エネルギー管理クラウドといったソリューション開発などを軸に、2015年度に1000億円の売上高を狙う。

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