スマートフォンを狙う窃盗事件で死傷者も、NY司法長官がAppleなど4社に協力要請

ニューヨーク市ではiOS端末が盗まれる「Appleピッキング」が激増。被害者が殺害されたり刃物で刺されたりする事件も相次いでいるという。

» 2013年05月14日 07時20分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 iPhoneやAndroidなどのスマートフォンを狙ったひったくりや窃盗が横行し、被害者が殺害される深刻な事件も発生しているとして、米ニューヨーク州の司法長官は5月13日、Apple、Google、Microsoft、Samsungの大手4社に対し、対策への協力を求める書簡を送ったと発表した。

 発表によると、iPhoneなどのiOS端末が盗まれる「Appleピッキング」事件は、ニューヨーク市内で2012年1月1日から9月23日の間に1万1447件発生し、2011年の3280件に比べて激増した。Apple以外の端末についても、地下鉄やバスの中で盗まれる事件が約30%増加しているという。

 さらに、被害者が殺害されたり、刃物で刺されたり、銃を突きつけられたりしてiPhoneやAndroid端末を盗まれる事件も相次いでいるという。

 盗まれた端末はメモリが消去され、中古市場で数百ドルで転売されていると州司法長官は指摘。米国のスマートフォン市場の90%強を占めAppleなどの4社に対し、対策のために必要な情報の提供と、盗む側の金銭的動機を失わせるような解決策の確立に協力するよう求め、「この業界を独占する企業には、ユーザーの安全を守るという約束を果たす責任がある」と強調した。

 各社の最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡でも、「高度な携帯電子機器を開発できる企業がなぜ、盗まれた端末を使えなくして闇市場の拡大を防ぐ技術を開発できないのか」と問いかけ、各社から担当者を派遣して解決策の開発に協力するよう要請している。

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