名古屋大学情報基盤センターから、新スーパーコンピュータシステム「教育研究用高性能コンピュータシステム」を受注した。
富士通は5月15日、名古屋大学情報基盤センターの新スーパーコンピュータシステム「教育研究用高性能コンピュータシステム」を受注したことを発表した。同システムは、2013年10月に稼働を開始する予定。
同システムの計算ノード数は、富士通の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」384ノード、「FUJITSU Server PRIMERGY CX400」552ノードのハイブリッドで構成され、総理論演算性能は561.4テラフロップスを実現する。将来的には、3662.5テラフロップスまで拡張し、東海地区では最大のシステムとなる予定だ。
FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10は、スーパーコンピュータ「京」に適用した富士通のスパコン技術をさらに向上させ、拡張性、信頼性、省電力性に優れた高性能スーパーコンピュータ。一方、FUJITSU Server PRIMERGY CX400は、従来の1Uラックサーバに比べて約2倍の1ラック84ノードの高集積を実現し、高性能計算に適したPCサーバ。
CX400の552ノードのうち、184ノードはインテル Xeon Phi コプロセッサを搭載し、高性能を低価格、低消費電力で実現する。また、ScaleMPのソフトウェア「vSMP Foundation」も導入し、複数ノードを束ね、仮想的な大規模計算ノードとしても運用することができるという。
また、ペタスケールシステムに対応した富士通独自のHPCミドルウェア「Technical Computing Suite」も合わせて納入する。ストレージは、合計容量6.0ペタバイトとなり、大容量、高性能、高性能分散ファイルシステム「FEFS」で構成される。
新スーパーコンピュータシステムの導入について名古屋大学情報基盤センター センター長の伊藤義人氏は、「全国共同利用・共同研究拠点並びにHPCI計算資源提供機関として、高い演算性能と省電力特性を持つPRIMEHPC FX10や、メニーコア技術を搭載したPRIMERGY CX400を導入することで、学術目的の萌芽的研究から大規模研究まで、さらには産業利用にわたる幅広いHPC活用を加速するとともに、次世代の若手研究者を含む計算科学コミュニティを醸成・拡大し、研究成果の社会還元に貢献できるものと期待しています」とコメントしている。
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