東大情報基盤センターが富士通に発注した新スーパーコンピュータシステム「Oakleaf-FX」が予定通りに本格稼働を始めた。
東京大学情報基盤センターは4月2日、新スーパーコンピュータシステム「Oakleaf-FX」の運用を開始したと発表した。富士通が開発した「PRIMEHPC FX10」をベースに構築したもので、ピーク性能は1.13ぺタフロップス。従来に比べてピーク性能、消費電力当たりの計算性能が約8倍に向上している。
Oakleaf-FXは4800ノード(50ラック)のPRIMEHPC FX10で構成される。使用するプロセッサには、理化学研究所の「京」に用いた「SPARC64 VIIIfx」の後継となる「SPARC64 IXfx」を採用。ワット当たりの計算性能は2ギガフロップスとなる。
このほか周辺システムとして、富士通のPCサーバ「PRIMERGY」を74台、ストレージシステム「ETERNUS」を234台、HPC向けミドルウェア「Technical Computing Suite」、分散ファイルシステム「FEFS」なども併せて導入した。
Oakleaf-FXは、東大柏キャンパス 第2総合研究棟に設置され、科学技術分野の研究や東京大学大学院のHPC教育にも使用される。情報基盤センターでは6月末までの3カ月間「試験運転期間」として、ユーザーに無償でサービスを提供する予定。また、全計算ノードを24時間占有できる公募型プロジェクト「大規模HPC チャレンジ」を月1回実施していくという。
東大情報基盤センターは3月末時点で、日立製作所が開発した2つのスーパーコンピュータシステムを運用中。3年ごとにスーパーコンピュータシステムを入れ替えており、2014〜2015年度に「ポストT2Kシステム」(ピーク性能が数十〜100ぺタフロップス)を導入する予定。2019年ごろに実現が期待される「エクサスケールシステム」へのマイルストーンと位置付けており、今回運用を開始したOakleaf-FXはそのための役割も担うという。
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