CiscoのIPトラフィックのトレンド分析レポート最新版によると、2012年から2017年に世界のインターネット プロトコル(IP)トラフィック量は3倍に増加して、1.4ゼタバイトに達するとしている。
米Cisco SystemsがIPトラフィックのトレンドを分析したレポートの最新版「Cisco Visual Networking Index Forecast (2012-2017)」を発表した。2017年までに年1兆Gバイトを超えるペースでトラフィック量が増加し、固定とモバイルを合わせて1.4ゼタバイトに達すると予測している。
レポートによれば、2017年の月間トラフィック量は、2012年の約44エクサバイトから約121エクサバイトに増える見込み。これはDVDで300億枚、MP3の楽曲で28兆曲、テキストメッセージで75京件に相当する。ユーザーの生成するビデオ量も、2017年には月間で3兆分間に達し、毎秒2年分以上に相当する120万分間のビデオが生成されるという。2012年から2017年にかけて予想される主な変化は次の通り。
項目 | 2012年 | 2017年 |
---|---|---|
世界のインターネットユーザー | 23億人(世界人口の約32%) | 約36億人(48%) |
1世帯平均の月間トラフィック | 31.6G | 74.5Gバイト |
世界のネットワーク接続デバイス | 約120億台 | 190億台超 |
固定ブロードバンドの平均速度 | 11.3Mbps | 39Mbps |
インターネットビデオユーザー(モバイルのみを除く) | 10億人 | 20億人 |
PC以外のデバイスによるインターネットトラフィックの割合は、2012年の26%から2017年は49%に拡大する。年平均増加率はPCで14%だが、テレビでは24%、スマートフォンでは79%、M2Mモジュールでは82%、タブレットでは104%となっている。
同社は今回の調査結果で、「物理的なモノがインターネットに接続される『Internet of Things』が目に見えて拡大し、数字の上でも世界のIPネットワークに影響を与える存在となっていくことが明らかになった」と総括する。
特にM2Mは、接続型機器の台数が20億台から60億台へと3倍に増加し、トラフィック量全体に占める割合も0.5%から3%に急拡大するという。ビデオ監視やスマートメーター、アセット/荷物追跡システム、ペットや家畜の埋め込みチップ、デジタル健康監視装置といったM2Mサービスがトラフィックの拡大を促進させると分析している。
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