お店の棚割とモバイルで売上アップを支援、アクセンチュアが新ソリューション

アクセンチュアは、消費財企業向けに特化した「Accenture CAS」を発表。店頭の商品棚の状況をモバイルで可視化し、そのデータを販売増につなげていけるという。

» 2013年07月17日 18時51分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 アクセンチュアは7月17日、消費財企業向けに特化した営業管理ソフトウェアとサービスによる「Accenture CASソリューション」の提供を発表した。店頭の商品棚の状況をモバイル端末で可視化し、そのデータを活用して消費財企業が売上増につなげていけると説明する。

Accenture CASでカバーされる営業プロセス

 Accenture CASソリューションは、販促から店舗営業、マーチャンダイジング、販売管理、分析といった消費財企業での営業プロセスに基づくソフトウェアモジュール製品群と、同社が提供する「Accenture CAS デジタルマーチャンダイジングサービス」で構成される。これまで海外で提供されてきたが、最新バージョンのリリースに合わせて日本での提供を開始した。最新バージョンでは従来のWindowsに加え、iOSとAndroid、Windows RT/Phoneもサポート。1つのプログラムコードでマルチデバイスに対応できるようになった。

 会見した製造・流通本部 一般消費財業界グループ統括マネジング・ディレクターの関一則氏によると、国内の一般消費財業界ではプライベートブランド商品の台頭によって店舗の棚割の獲得競争が激化している。新商品を上市するタイミングで多くの棚割を確保することが、商品の売れ行きに影響するという。「メーカーにとっては定番商品の開発も重要だが、新商品が短命に終わる現実も受け入れ、商品を売れるようにタイムリーに店舗側とコミュニケーションしていける仕組みが重要」と解説する。

 しかしながら、現状では店舗の商品棚といった販売の最前線の情報を本部側で活用していく仕組みや環境が十分に整備されておらず、例えば、現場の営業担当者が商品棚に陳列された商品の状況を、写真データなどを交えて本部側に報告しても、その情報を活用し切れていない。「その結果としてコミュニケーションのロスが発生し、商機を逃してしまう」(関氏)という。

 今回発表したソリューションは、営業プロセスのライフサイクル全体をソフトウェアでカバーしつつ、特に販売の最前線の状況を適切にエスカレーションしていく部分では同社がAccenture CAS デジタルマーチャンダイジングサービスを提供していく。このサービスは、現場の営業担当者がモバイル端末のCASのアプリで棚割の状況を撮影し、アクセンチュアのクラウドサービス環境にアップロードする。ここで画像認識と人手による画像補正を行って、理想的な棚割と実際の棚割の状況を比較分析し、改善策等のフィードバックを担当者に提供する。

Accenture CAS デジタルマーチャンダイジングサービスの内容

 米Accenture CAS製品戦略担当統括マネジング・ディレクターのヘニング・フロム氏は、「営業分析もできるというツールは多いが、網羅性の観点から中途半端なものが少なくない。CASは一般消費財業界に特化したノウハウを提供する」と強調する。ユーザー企業の多くは、飲料や食料、コスメティクスのメーカーの営業部門や販売会社だといい、日本企業でも導入しているところがあるという。

 また、モビリティサービスグループ統括マネジング・ディレクターの清水新氏は、「営業の生産性向上では成績上位者の行動ノウハウを成績中位者に生かすことが重要。モバイルツールでその仕組みを作り、成績中位者の底上げにつなげていくべきだ」と解説した。

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