キヤノンマーケティングジャパンは、東日本大震災をきっかけに実施した自社でのデータセンター移設の経験を生かし、企業のデータセンターの移設やバックアップサイトの構築を支援する。
キヤノンマーケティングジャパンは7月25日、企業でのデータセンターの移設やディザスタリカバリサイトの構築などを支援するサービスを発表した。2011年3月の東日本大震災をきっかけに実施した同社自身の経験やノウハウを活用する。
新サービスは、キヤノンマーケティングジャパンのグループ企業のキヤノンITソリューションズが提供する。移設を検討する企業に対し、既存資産のアセスメントから移設計画や設計書の作成、必要な機材の調達や環境の構築、受け入れ側の準備や運用体制の整備と運用担当者の教育、引き継ぎ、プレテストの実施と社内外への告知、移設作業と移設後の運用体制までを支援する。
サービスメニューは「移設コーディネートサービス」と「移設コンサルティングサービス」の2種類。移設コーディネートサービスでは機器移設などの物理的な作業も対応する。移設コンサルティングサービスでは移設プロジェクトの支援を行う。
キヤノンマーケティングジャパングループは、東日本大震災の直後、3カ月で沖縄県のデータセンターにディザスタリカバリサイトを構築している。また、2012年秋には都内に自社設備の「西東京データセンター」を建設し、メインサイトを千葉県のデータセンターから西東京データセンターに移設した。特に今年5月のゴールデンウィーク期間中の移設作業では94件の問題が起きたものの、期間中に対応を完了させ、業務に支障なくメインサイトの切り替えに成功している。
震災を契機に事業継続性や災害対策の強化に取り組む企業は多いものの、実際にデータセンターを移設するとなると、機器が運搬中に損壊したり、移設先での設置作業が計画通りにできなかったりといったトラブルが起きやすい。
キヤノンITソリューションズは、新サービスの利用で基幹システムのシステム停止時間を大幅に削減したり、移転に伴うリスクやコストを最小限に抑えたりできると説明。ヘルプデスクや監視サービス、運用・保守など、データセンター移設後のシステム運用を含めたサービスもワンストップで提供できるとしている。
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