F5、日本限定モデルのL4-7スイッチ発売 2015年にシェア50%へ

F5ネットワークスが2014事業年度の戦略を発表。2015年にシェア50%を獲得すべく、日本市場限定のローエンドモデルを投入する。

» 2013年08月29日 16時32分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 F5ネットワークスジャパンは8月29日、2014事業年度の戦略を発表した。同社にとって手薄というL4-7スイッチのローエンドモデル市場向けに新製品を投入し、2015年にシェア50%を獲得する方針を明らかにした。

アリイ・ヒロシ社長

 同日会見したアリイ・ヒロシ社長は、IDC Japanの調査で9年連続となる国内L4-7スイッチ市場でのトップシェアを獲得したことを報告。2012年のシェアは31%だが、同社のグローバル市場でのシェアは45%ほどだといい、国内市場でのシェア拡大を課題に挙げた。

 2014事業年度の戦略ではこのシェア目標を達成すべく、同社シェアの低い販売価格が300万円以下のローエンドモデル市場に本格参戦する。そのために日本市場専用モデル「BIG-IP 800」を開発、競合他社よりも販売価格を大幅に抑えたという138万円の“戦略的価格”を設定した。9月以降に提供を開始し、10月に始動させるパートナー施策と合わせて同市場を一気に席巻したい考えだ。

BIG-IP 800

 BIG-IP 800は、従来のBIG-IP製品のラインアップとは異なり、「エントリーモデル」という位置付けになる。だが、製品面としてはこれまでのBIG-IP製品と同様に高性能ハードウェアと独自ファームウェアの「TMOS」を採用する。ハードウェア構成は1Gbpsを6ポート、4Gバイトメモリ、インテル デュアルコアプロセッサを搭載。レイヤ4スループットが1Gbps、HTTP処理が最大17万5000RPS、SSL処理が500TPS(鍵長2048ビットの場合)といった性能を有する。

 シニアソリューションマーケティングマネージャの帆士俊博氏は、「ユーザーに話を聞くと、BIG-IPへの評価は高いものの、価格がネックになっていることが分かった。新製品では顧客に優れた投資対効果を実現することを目指した」と説明する。

 パートナー施策では現在約30社のパートナー企業を軸に、販売代理店や新たに設定するシステム構築分野の「Integration Partner」を合計で100社獲得する計画。容易な導入作業を支援するガイドやトレーニングの提供、セミナーなどの販売促進策を積極展開していくという。

 同社は戦略や新製品と併せて、TMOSの最新版(11.4)を9月から提供することも発表した。最新版ではBIG-IPやVIPRIONのADC製品をVXLANのゲートウェイとして動作させることができるようになった。

 このほか、TMOSのコントロールプレーンをユーザーが記述するポリシーによって自動制御できるiCall機能や、アプリケーションの状況に応じてBIG-IPの処理能力を柔軟に変更できるようにする「ScaleN」機能などを搭載している。

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