デジタル営業マン? 日本オラクルが「Eloqua」クラウドサービス開始

「Oracle Eloqua」が日本市場でも本格デビューした。salesforce.comと同様、クラウドサービスとして短期間で導入できるため、Eloquaも営業部門主導で火がつくか。

» 2013年11月25日 16時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 日本オラクルは11月25日、企業のマーケティング活動を自動化するクラウド型アプリケーション、「Oracle Eloqua」を発表、日本市場でも本格的にサービスを開始した。

 マーケティングオートメーションは、セミナー、イベント、広告などで取得した潜在的な見込み客(リード)に対してその行動履歴やプロファイルに応じて点数付け(スコアリング)を行い、適切な情報を提供していくことで自社の製品やサービスへの関心や理解を高めていき、有望な見込み客を育成(ナーチャリング)していく仕組み。インターネットの偏在化やスマートフォンのようなデバイスの進化に伴い、マーケティングのデジタル化も急速に進んでおり、Oracleは昨年12月、買収によってEloquaを獲得していた。

 Eloquaはマーケティングオートメーションのマーケットリーダー。キャンペーンフローの管理、オンライン行動履歴の管理、スコアリング、分析といった一連の機能をSaaSとして提供、PDCAサイクルを通じて、案件化しやすい見込み客をセールスに引き継ぐことでマーケティングROIを最大化できる。ITベンダーを中心に顧客も拡大しており、導入企業の中には数十%の売り上げ増という目に見える成果を上げたグローバル企業もあるという。

 マーケティングの考え方自体があまり浸透していない日本企業においては、組織の未整備やスキル不足がマーケティングツールの活用を阻んできた面もあるが、Eroqua Goldパートナーとして、これまでグローバルで100件以上を導入してきたマーケットワン・ジャパンの山田理恵子マネージングディレクターは、「デジタル営業マン」としてマーケティングオートメーションを捉えれば分かりやすいと話す。「日本企業の場合は、売り上げを増やしたい営業部門が主導し、SFAを補完するものとしてマーケティングオートメーションの取り組みが進むかもしれない」と話す。

 やはりパートナーの1社として記者発表会に同席したシンフォニーマーケティングの庭山一郎社長は、個人情報の取り扱いに厳しい法制度やボトムアップの購買意思決定プロセスなど、米国とは違う日本市場の難しさを指摘しながらも、「日本企業の最重要課題はマーケティングの強化だ」とし、Eloquaを活用したマーケティングサービスを提供していくという。

 Oracle Eloquaサービスの価格は、1万コンタクトで月額約20万円から。

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