DeNAがビジネスのグローバル化を睨み、「NetSuite OneWorld」を10カ国に展開。グローバルな会計と人事によってリアルタイムの業績可視化を実現する。同社のNetSuiteシステムはアジア地域で最大規模だという。
大手インターネットサービス企業のディー・エヌ・エー(DeNA)がビジネスのグローバル化を睨み、会計や人事などの業務基盤としてクラウドサービスの「NetSuite OneWorld」を採用、本稼働を始めていることが分かった。カリフォルニア州サンノゼで「SuiteWorld 2014」を開催中のNetSuiteが明らかにしたもの。同社によれば、DeNAが利用しているNetSuiteシステムは、アジア地域で最大規模だという。
DeNAでIT戦略部長を務める村上淳氏は、「成長を支えるため、経営情報の迅速かつ効率的な共有の仕組みが求められていた。各地域の拠点にまたがる会計、人事などの業務基盤は、グローバルビジネス環境の変化に対応できる柔軟なものでなければならず、また、日常業務を効率化できることも必要だった」とNetSuite OneWorldの採用理由を振り返る。
DeNAが利用するNetSuite OneWorldは、複数の国や地域にまたがるERP/財務会計、CRM、マーケティング、e-コマースなど、企業のさまざまな業務を1つの統合されたシステムで効率的に運用できるクラウドサービス。複数の子会社、事業部門、関連会社を一元管理でき、また通貨や会計制度、税金制度、法制度などの違いも単一のシステムで吸収し、グローバルレベルでのガバナンスを実現できるという。現在、19言語と190種類以上の通貨に対応している。
DeNAでは、日本、米国、シンガポールなど、10カ国でNetSuiteを導入、グローバル会計や多通貨による受注管理、購買管理だけでなく、人事にも利用しているのが特徴。NetSuiteでトレーニングや給与支払、休暇管理、経費精算から業績評価まで行い、それにより業務プロセスの簡素化・効率化を実現、会計と連動させることで、業績に関するリアルタイムの可視化も実現しているという。
「グローバルで働く約2000名の社員情報や人事異動をリアルタイムで把握でき、それにより、例えば、自社で開発するソフトウェアの原価を自動算出できる。NetSuiteによってゲームタイトルごとの売り上げやキャッシュベースの原価を迅速に把握できることは、われわれのビジネスにとって大きな助けとなっている」と村上氏は話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.