“シンプルさ”を追求したバックアップで情シスを楽にCAクレスト氏に聞く

システムの複雑化に悩む情報システム部。管理は複雑になる一方だ。その複雑な管理を簡潔・簡単にしようという発想の下、作られたバックアップ製品がある。

» 2014年06月19日 16時05分 公開
[大津 心,ITmedia]

 「情報システム部門の悩み」の上位に常に挙がるのが“管理の効率化”だ。コスト削減要求が強まる一方で、管理対象となるシステムは仮想化やクラウドの影響で複雑化し、ビッグデータなどの普及で取り扱うデータは増える、つまり“管理が大変になっていく”一方だ。他方で、業務のIT依存度は増え続けているため、データ損失による損害は計り知れず、そのプレッシャーも相当なものだ。シンプルなバックアップ環境を構築したいというニーズは非常に多い。

 このような環境下でシンプルなバックアップにこだわって開発しているのが、「ARCserve Backup」でバックアップツール市場シェア1位を獲得している米CA Technologies(以下、CA)だ。今回は、米CA TechnologiesでARCserveシリーズの責任者を務めるデータマネジメント事業部 ジェネラル・マネージャ マイク・クレスト(Michael Crest)氏に、同社の新製品「CA arcserve Unified Data Protection(UDP)」や今後の方向性を聞いた。

“シンプルさ”を追求したバックアップソリューション

 UDPはイメージバックアップ製品「CA ARCserve D2D」の後継製品。今回、D2Dの機能に加えて、バックアップ・リカバリソフト「CA arcserve Backup」(以下、Backup)、レプリケーションソフト「CA arcserve Replication/High Availability(以下、RHA)」の機能も包含したのが特徴。UDPに機能は包含されたものの、BackupとRHAはそれぞれ単体商品としての販売も継続される。

クレスト氏写真 右)米CA Technologies データマネジメント事業部 ジェネラル・マネージャ マイク・クレスト氏、左)同 データマネジメント事業部 ワールドワイドストレージセールス ワールドワイドプロダクトマネジメント シニアディレクター エル・ディ ウェラー氏

 クレスト氏は、UDPのコンセプトに“シンプルさ”を第一に挙げる。実際UDPでは、従来D2D、Backup、RHAと3種類に分かれていた機能を統合し、一元的に管理・操作できるようにした。UIを同一にするだけでなく操作を簡単にするなど、シンプルさを追求する開発に1年以上を費やし、一定の成熟度を得たと自信を持っているという。

 例えば、バックアップ設定に「メニュー」という概念を採用してシンプル化を試みている。メニューとは、「松、竹、梅」のような、あらかじめバックアップポリシーを設定しておくことで、ユーザー部門はプランを選ぶだけで簡単にバックアップ設定を自身で可能にするというもの。設定をシンプル化/メニュー化することで、情報システム部門の作業工数が減り、ユーザー部門は自身の判断でバックアップ設定を選択でき、Win-Winの関係ができるとした。

 また、オープンAPIを強化し、パートナー製品との管理面での統合も図ることで管理のシンプルさを追求している。

「当社は従来より中立性を強みとし、あらゆる製品との連携を強みにしてきたが、UDPでもさらに強化することで操作を一元的、簡易にできていると考えている。シンプルにしたことで自動化できる範囲も広がったほか、メニュー化することで事業部員自身で設定が可能になった。UDPでは、必要な機能だけ選んで購入することができるので、バックアップのHUBとして導入し、必要に応じて機能拡張する、という選択肢もあるだろう」(クレスト氏)

シンプルさを追求して品質向上にも貢献

 UDPは、CAとしては初めての試みとしてアジャイル開発によって作られた製品だという。約1年間にわたってアジャイル開発を実施し、途中々々でパートナーからのフィードバックも反映させた。今後もアジャイル開発を続けるので、バージョンアップの間隔も短くなる可能性もあると言う。

 クレスト氏は、「アジャイル開発は当社としては初めての試みだった。アジャイル開発はスピードはもちろんのこと、製品品質向上にも貢献できる。日本市場では特に品質が重視されるため、品質を向上させることは非常に重要なポイントだった。シンプルさを追求することは余計な機能を削ぎ落とすことにもつながり、品質向上にも役立つ。今後もシンプルさを追求して開発を続けたい」と語り、今後もシンプルさを追求することを約束した。

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