ワコール、グループ68社の共通IT基盤をプライベートクラウドへ移行導入事例

繊維メーカー大手のワコールは、グループ共通のプライベートクラウド基盤としてデータベースマシン「Oracle Exadata」を導入。総保有コストの大幅な削減を見込んでいる。

» 2014年08月06日 11時28分 公開
[ITmedia]

 大手繊維製品メーカーのワコールは、国内外のグループ企業68社で共通利用していたIT基盤をプライベートクラウド環境へと移行した。システムを提供した日本オラクルが8月6日に発表した。

 これまでワコールでは、メインフレームで稼働する業務システムと、オープン系システムで稼働する業務システムの計50種類で構成する基幹業務システムを運用してきた。部門ごとに最適化されたシステム構築を行ってきた結果、データベースサーバが散在することで運用管理が煩雑となり、コスト効率が低下するという課題を抱えていた。加えて、国内グループ企業の業務システムも各社で運用管理されており、これらを統合することで業務効率化を図ることが急務だった。

 そうした中、同社は30以上のデータベースサーバを統合できるグループ共通のプライベートクラウド基盤として、データベースマシン「Oracle Exadata」を導入した。

 2013年からExadataによる統合データベースの構築を開始。まずはメインフレームで稼働していたコードデータ管理のシステムを移行し、このたび財務会計システムとして運用するERPパッケージ「Oracle E-Business Suite」のプライベートクラウド移行が完了した。今後は、UNIXベースで稼働する大規模システムと、Windowsベースで稼働している中小システムの移行を順次進めていく予定である。2014年度中に主要なシステムが統合され、2015年度からはプライベートクラウド中心の運用管理が可能となることで、総保有コストの大幅な削減が見込まれている。

 既に効果も出ている。経理システムでは平均30〜40%の時間短縮が実現したほか、これまで長時間を要していた売り上げデータを仕分けする夜間バッチ処理時間が半分以下になった。さらに、汎用検索ツールの処理速度も向上し、従来は3カ月分のデータ量までしか検索できなかったレポート作成業務において、1年分のデータを1度に検索することが可能となった。

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