存在感高まる仮想化ソフト、適用領域の拡大がカギ

IDCは2013年〜2018年の仮想化ソフトウェア市場の年間平均成長率は13.7%になると予測する。

» 2014年08月12日 14時24分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは8月12日、「国内システムソフトウェア市場 2013年の分析と2014年〜2018年の予測」を発表した。

 それよると、2013年の国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア(ハイパーバイザー製品など)の市場規模は、前年比23.2%増の444億7000万円、2013年〜2018年の年間平均成長率を13.7%と予測している。また、バーチャルクライアントコンピューティング(プレゼンテーション仮想化製品など)市場規模は、同20.7%増の205億1400万円で、2013年〜2018年の年間平均成長率を10.7%と予想している。

 バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場が好調な要因としてIDCは、大手企業でのプライベートクラウド構築をはじめとする仮想基盤の拡張、クラウドサービスプロバイダーでの導入拡大、中堅・中小企業へのサーバ仮想化の浸透などを挙げている。この分野は、北米、中南米、西欧、中東欧・中東・アフリカ、日本、日本を除くアジア太平洋など主要6地域で順調に市場規模が拡大し、特に日本は2012年に続いて最も高い成長率を示した。IDCでは2018年の同市場の規模を845億円と予測する。

国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測:2013年〜2018年、出典:IDC Japan

 またバーチャルクライアントコンピューティング市場は、プレゼンテーション仮想化を実現する「バーチャルユーザーセッション市場」と「統合デスクトップ仮想化市場」が中心となっている。このうち、バーチャルユーザーセッション市場の規模は、バーチャルクライアントコンピューティング市場の約75%を占め、2013年〜2018年の年間平均成長率は8.3%になるという。統合デスクトップ仮想化市場は、2013年に前年比23.9%増と大きく成長したが、導入コストの問題から勢いがやや弱まりつつある。2013年〜2018年の年間平均成長率は19.7%になるとしている。

 今回の調査結果から同社は、ユーザー企業ではサーバ仮想化だけでなく、クライアントやネットワーク、ストレージの領域に対しても仮想化を実施していると指摘し、ベンダーやシステムインテグレーターは、仮想化統合ソリューションを展開していくべきだとしている。

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