Excel方眼紙をWebアプリにして楽になろうグレープシティが開発支援ツール「Forguncy」リリース

帳票好きの日本人に浸透している“Excel方眼紙”。一方でこれがボトルネックとなり、業務の効率化が進まない現実もある。そこに着目したのが「Forguncy」だ。

» 2014年10月16日 19時48分 公開
[大津心,ITmedia]

 グレープシティは10月15日、ExcelライクなUIでWebアプリケーションを作成可能なツール「Forguncy」をリリースした。いわゆる日本に多い“Excel方眼紙”をそのままWebアプリケーション化したり、さまざまなテンプレートを活用することで、ITに詳しくない担当者でも容易にWebアプリケーションが作成できるという。価格は1開発ライセンス4万2984円(税込)から。

誰でもWebアプリケーションが作れるように、とExcel方眼紙に着目

ブース外観 10月17日まで開催しているITpro EXPOに出展中のグレープシティブース。Forguncyのデモを見ることができる

 Forguncyは日本企業に数多く存在する“Excel方眼紙”を簡単にWebアプリケーション化できるツールだ。Excel方眼紙とは、Excelを方眼紙のように使い、見た目や印刷用レイアウトを調整するために文字と文字の間に調整用のセルを入れたり、セルを結合して社内資料を作成する手法。帳票の見た目を重視する日本企業独自の文化だと言われている。

 一方でこのようなExcelの使い方は、本来とはかけ離れた見た目重視のものであるため、データの再利用が困難なほか、作成方法も属人的になりがちな点が問題視されている。

 グレープシティ 第1ツール開発事業部 製品戦略室 プリンシパルエンジニア 八巻雄哉氏は「このように“Excel方眼紙”は、『ブラックボックスになりがち』『データ抽出が難しいためワークフローに向かない』『紙ベース文化が抜けきらない』など、業務のボトルネックになりがちだった。とは言え、多くの企業ですでに利用されているのが実情だ。この現状を打破する方法のひとつとして、Forguncyのリリースを考えた」と説明する。

Excel方眼紙と同じ感覚でWebデザインが可能に

 実際Forguncyを立ち上げると、Excelと同じようなUIが現れる。上部のリボンUIもExcelと同じだ。このExcelと同じUIを用いてシートを作成し、最後にWeb化するボタンを押すだけでExcelシートをWebアプリケーション化することができる。その際のページデザインはExcelシートでデザインしたものを引き継ぐので、Excel方眼紙で作成した帳票の見た目そのまま、Webアプリケーション化することも可能だ。

Excelそのままのデザイン

 利用者としては、Excelシートを作成する感覚でWebアプリケーションの作成が可能だ。同様に既存のExcelシートをインポートすることで、既存資産も簡単にWebアプリケーション化できる。Excelシートに含まれている各種関数も引き継げる(現時点では、323種類の関数に対応)。

Forguncyでは323のExcel関数をそのまま利用できる

 Accessなどと連携して売上管理などを行っている場合でも、Forguncyの内部データベースに引き継ぐことが可能。データの連結もドラッグ&ドロップでできる。

 また、「見積もり書」や「旅費計算」「顧客情報管理」といった、一般的に利用されることの多い用途9種類をあらかじめテンプレートとして提供。担当者はテンプレートを活用することで、既存資産がない場合でも容易にアプリケーションが制作可能だとしている。

独自サーバ利用で面倒なサーバ設定要らず

 作成したWebアプリケーションの実行には、専用の「Forguncyサーバー」が必要。Forguncyサーバーをインストールするだけでアプリケーション実行に必要な設定・環境等が構築されるので、面倒なWebサーバのインストールや設定は一切不要だという。

 グレープシティでは、2015年1〜3月期を目途に「Forguncy」の機能に加え、Oracle DatabaseやMicrosoft SQLに読み取り専用で接続できる上位版「Forguncy Pro」をリリース予定。同社では30日間無料の評価版を提供しており、Webサイトからダウンロード可能だ。

 八巻氏は、「Excel方眼紙でさまざまな帳票を作成している企業は、クラウド化や効率化に移行できずに苦労している企業は多い。とは言え、情報システム部門の担当者が自らWebアプリケーションを作成するのは敷居が高すぎる。Forguncyを使えば、これらの問題を解決可能だ。価格も現場判断で購入できるように戦略的な価格設定にした。テンプレートを活用することでワークフローも導入できる」と説明し、業務効率化に悩む現場担当者に訴えた。

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