モバイルワークを推進する佐賀県庁、iOSとWindows端末を統合管理

2014年10月に稼働した全職員を対象とするテレワークなどのデバイス管理には、複数OSに対応した仕組みが利用されている。

» 2015年02月10日 08時00分 公開
[ITmedia]

 2013年度から「ICT利活用推進計画」を推進している佐賀県は、2014年10月に全職員約4000人を対象にした在宅勤務やサテライト勤務、モバイルワークのテレワークシステムを稼働させた。タブレット端末などを活用モバイルワークに関しては、iOSとWindowsに対応した端末の統合管理/認証基盤を構築している。

 同県では2008年度に都道府県庁では初めて在宅勤務制度を導入し、2013年度からは「モバイルワーク推進実証事業」を進めている。その狙いについて、県最高情報統括監(CIO)の森本登志男氏は以前の取材記事で、「県民に対するサービスの質を高めていくには、職員の働き方を変えていく必要性がある」と語っている。

 実証事業の当初に100台のiPadを導入、庁内の各課から活用のアイディアを募集して審査を行い、実際の利用効果などについて検証を行っている。この経験を踏まえ、2014年秋にはWindows OSを採用するタブレット端末も導入した。情報の共有や資料の閲覧、文書決裁などの用途にはiPadやiPhone、資料の作成や詳細なデータ入力を伴う作業にはWindowsタブレットを利用しているとのことだ。

佐賀県庁ではタブレット端末から業務ができる環境を整備している

 実証事業で導入した端末は、iPadが900台、iPhoneが200台、Windowsタブレットが170台の約1300台近くにもなる。県として適切に端末を管理していくための基盤として、アイキューブドシステムズが提供している「CLOMO」を採用した。CLOMOは、iOSとWindowsの端末を一元的に管理できるほか、通信事業者の変更などに左右されにくいこと、管理者が変わっても継続して運用できる操作性であること、県の救急医療システムで安定した運用実績のあることなどを評価したという。

 救急医療システムについて佐賀県は、2011年に県内の救急車にiPadを配備しており、医療機関情報・救急医療情報システム「99さがネット」と連携して、iPadから救急搬送が可能な病院を迅速に検索できる仕組みを運用。搬送時間の短縮といった成果を挙げている。

モバイルワークのイメージ(佐賀県資料より)

 統合管理基盤について森本氏は、「救急医療システムで3年の実績があり、全庁展開に先立つ100台のモバイルワークの実証実験でもその効果を確認した。職員は端末を持ってどんどん現場に出て行ってほしい。OSが異なる端末を一元管理できることによるシステム管理面のメリットはとても大きい」とのコメントを寄せている。

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