インベスター・ネットワークスのサービス利用企業の株主情報が漏えいした可能性のある問題は、5社でのべ1万4667人に影響することが分かった。
企業からの委託を受けて株主向けサービスを運営・管理するインベスター・ネットワークス(INV)は4月9日、5社でのべ1万4667人の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。同社に業務委託していた顧客企業では損害賠償請求を検討する動きも出ている。
この問題は、7日にINVのサービスに登録している株主から「サービスだけに使用しているメールアドレスに投資勧誘が来た」との問い合わせで発覚。INVに業務委託していたサンリオが公表し、INVに業務委託するゴルフダイジェスト・オンライン、アルデプロ、トランスコスモス、ロート製薬も同様の事態が発生したと発表した。ロート製薬では電話による勧誘もあったとしている。
各社が9日までに発表した影響範囲は以下の通り。
企業名 | サービス名 | 登録株主数 |
---|---|---|
サンリオ | サンリオ株主ポイント倶楽部 | 6249人 |
ゴルフダイジェスト・オンライン | GDO株主倶楽部 | 1949人 |
アルデプロ | アルデプロ株主ポイント倶楽部 | 2724人 |
トランスコスモス | トランスコスモス株主ポイント倶楽部 | 846人 |
ロート製薬 | ロート製薬株主倶楽部 | 338人 |
5社発表の合計は1万2106人だが、IVNはのべ1万4667人としている。人数の違いについてIVNは「集計時期が各社と弊社で異なるため」と説明。「株主倶楽部」「株主ポイント倶楽部」の利用企業は今回の5社だけで、他に情報が漏えいした可能性のある企業はないとしている。
INVは各社での事案について内部調査を進めており、9日に警視庁へ調査協力を相談するとともに被害申告を提出した。ロート製薬の説明によれば、「INVからデーターベースへの不正アクセスなどについては確認されなかったとの連絡を受けている」という。
各社はサービス停止などの対応に追われた。アルデプロでは株主優待制度の中止と普通株式に係る配当を検討しているといい、INVに対して「必要に応じて損害賠償などの措置を講ずる事も検討していく」と表明した。
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