Visionsは、管理者と営業担当者の双方で効果がすぐに表れた。
「管理者側にとっては、案件データの集計や分析、受注確度の客観的評価などが簡単に行えるようになりました。また、以前は引き合いレベルの情報しか把握できませんでしたが、Visionsで営業プロセスを管理することで、進捗状況の把握も可能になっています。さらに、情報に関する属人性を排除することで、担当者の配置換えも容易になり、これまで以上に適材適所の人材活用が可能になると期待しています」(シャープ 国内営業本部国内営業構造改革プロジェクトチーム主事の松藤基子氏/同)
営業情報の質と鮮度も飛躍的に向上したという。Visionsをすでに活用するIDP事業では、アクティブ商談の登録数が1年間で4.5倍に、商談の平均単価も1.8倍に向上した。結果、商談金額総額も、この1年で7.7倍に増えた。
「案件情報が可視化されれば、すべての案件を獲得しようというモチベーションが高まるうえ、失敗例や成功例を学ぶことも容易になります。その結果、売上が向上し、営業担当者の評価も高まることになります」(シャープビジネスソリューションの近藤氏/同)
IDP事業で効果を証明したVisions。今後、希望部門やグループ会社を対象に、利用者数を自然に増やしていくアプローチで進めていく。今後1年で2000人規模にしたいとし、シャープ本体の国内営業部門も含めてグループ一丸で革新させたい考えだ。
「今のシャープは、次の成長ステージに向けて構造改革中。グループ全体へのVisionsの展開は、新たな目標に向け一丸となって進むための大きなきっかけになります。シャープ全体の標準基盤は、再生に向けた階段として重要な役割を果たすはずです。これによってBtoB事業を積極的に拡大し、V字回復に貢献したいと考えています」(シャープビジネスソリューション 代表取締役社長の谷屋誠氏)
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