日本マイクロソフトが先週、テレワークの取り組みについて記者会見を開いた。その有効性について初公開の話があったので取り上げておきたい。
「日本が今後も経済成長を続けていくためには、少子高齢化が進む中で多様な労働機会を広げていく必要がある。そのためにもテレワークを一段と普及させていかなければならない」
日本マイクロソフトの樋口泰行会長は、同社が8月10日に開いたテレワークの取り組みに関する記者会見でこう強調した。テレワークとは、ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことだ。東日本大震災直後は、災害対策や事業継続性確保といった観点でも注目された。
このテレワークに早くから取り組んできた日本マイクロソフトは、震災後に社内で本格適用し、2014年8月には外部の32法人と「テレワーク週間」を設けて共同実施。さらに2015年8月も24日から28日まで「テレワーク週間2015」を開催すると発表した。樋口氏によると、「今年(2015年)は一気に651法人にご賛同をいただき、関心の高さに驚いている」との活況ぶりのようだ。
ちなみに、政府も2006年にテレワーク普及を重要課題として掲げ、2013年6月に打ち出した「世界最先端IT国家創造宣言」の中で企業のテレワーク導入を提唱。2020年度にはテレワークの導入企業数を2012年度比で3倍まで増やす考えだ。この取り組みの一環として、2015年11月を「テレワーク月間」と定めている。日本マイクロソフト パブリックセクター担当/テレワーク推進担当役員の織田浩義執行役常務によると、「当社が実施するテレワーク週間2015でテレワーク月間に弾みをつけたい」としている。
テレワーク週間2015の活動内容についてはこちらに委ねるとして、ここでは日本マイクロソフトが会見で説明したテレワークの有効性についての初公開の話を取り上げておきたい。
まずはその前提として、同社が2014年のテレワーク週間で行った意識調査より、テレワークを阻害する要因を見ておこう。図1がその調査結果である。すなわち、阻害要因としてとらえておかなければならないのは、「ICT環境」「マインド」「制度」といった3つの観点があるということだ。それを踏まえたうえで、日本マイクロソフトの小柳津篤エグゼクティブアドバイザーによる社内事例をもとにしたテレワークの有効性の話を紹介していこう。
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