本セミナーでは、企業のデータ活用を支えるセルフサービスBIツールも多数紹介された。まず、Tableau Japanでセールスコンサルタントマネージャーを務める並木正之氏が「Tableauが紹介する『誰でも簡単にビッグデータを視覚化し、分析』」と題した講演を行った。
世界的に高いシェアを獲得しているセルフサービスBIツール「Tableau」は、エボラ出血熱の感染範囲の推定、海洋汚染で数が激減しているメキシコの“オニイトマキエイ”の保護、孤児支援の効果測定など、さまざまな場面で使われていると並木氏は紹介する。
「Tableauは、ITや統計の知識がなくても数字を見て仮説検証を行い、改善活動を行えるかという点を重視しています。そして、どのように数字を見せれば、人が簡単にデータを理解し、新たな発見ができるかということを目標に、UIやUX、データのビジュアライゼーション(見せ方)にこだわっています」(並木氏)
並木氏は「セルフサービスBIを取り巻く環境はここ1年で大きく変わっている。米国もそうだが、日本もそれに追随するペースだ」と、日本でセルフサービスBIツールの利用が拡大していることをアピール。セルフサービスBIツールを使う意義として、自らが考える時間や考えを伝える時間を短縮し、すぐにビジネスの判断やアクションにつなげられることを強調した。
「皆さんの目標を達成したいという気持ちに対し、優れた道具を与えたい。それが私たちの考えです。だまされたと思って使ってみて、データに慣れ親しんでください。現場が強い日本ならば、もっとデータの活用ができるはずです」(並木氏)
セルフサービスBIツールの導入を検討する企業には、従来型のBIツールを導入して失敗したことがきっかけとなっているケースも多い。
「DWHやBIシステムを使ったお客さまが不満な点として上げることが多いのは、基盤構築や初期投資が高額であることやツール自体の柔軟性の欠如、そして開発や運用時にIT部門の負荷が高いこと」――こう話すのは日本オラクルでクラウド、ビッグデータ関連商材のマーケティングマネージャーを務める五十嵐恒氏だ。
こうした問題に対応するため、基盤構築が必要なく、小規模の投資で始められる、クラウドを利用したセルフサービスBIに注目が集まっているという。「ユーザーが少ないうちはクラウドで、増えてきたらオンプレミスに乗り換えるというパターンも見受けられます。クラウドであれば業務部門主導で導入を進めやすいのも特徴です」(五十嵐氏)
オラクルが提供している「Oracle BI Cloud Service」では、こうした機能を踏まえつつ、オープンデータをはじめとする外部データとの連携や、オンプレミスのデータベースなどとの連携も可能としており、極めて高い柔軟性を持つと五十嵐氏は強調した。
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