今日、届いた魚にはどんなストーリーがあり、どうやって食べるとおいしいのか――。産地と店が楽しみながら食材情報を共有し、メニュー紹介に生かしている四十八漁場。今や情報共有に欠かせないという企業向けSNSを、この店ではどうやって定着させたのか。
今や日常的なコミュニケーションツールとして定着しつつあるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が、企業の情報共有ツールとして注目を集めている。
「塚田農場」「四十八漁場(よんぱちぎょじょう)」などの飲食チェーンを展開するエー・ピーカンパニーは、この企業向けSNSをいち早く取り入れた1社。企業向けSNSのアカウントをアルバイトスタッフにも提供している四十八漁場は、産地と店との情報共有が進み、それが“漁師の声が伝わる”メニュー紹介につながったという。
接客現場のSNS活用について聞いた前編に続き、後編では、現場に新たなツールを定着させるための工夫と、すぐには売上アップにつながらないツールを導入につなげるコツについて、エー・ピーカンパニー管理本部経営管理部で部長を務める鈴木翔太さんに聞いた。
―― 社内SNSの運用を成功させるために、工夫していることはありますか。
鈴木翔太さん(以下、鈴木氏) “誰に何を届けるか”という情報の交通整理には気を遣っています。全てのスタッフに情報を流す場合はタイムラインに投稿し、特定の人たちに情報を送る場合はグループを作ってメッセージを送ります。
個人に関係ない情報がタイムラインに増え過ぎるのはよくないですが、一方でグループばかり作ってメッセージを送っていると、個人が会社全体の動きを把握できなくなってしまう。タイムラインとグループ……この2つの場所の情報バランスについては、慎重に見ていく必要があります。
本来なら、情報の内容と発信する単位が適切であれば、どんなツールでも正確なコミュニケーションが取れると思います。いくらツール自体が便利でも、間違った情報発信の仕方をしていたら意味がない。なので、使い手に対するITリテラシーの向上には継続的に努めていく必要がありますね。
―― 新たなITツールは定着するまでに時間がかかったり、使うことに抵抗を覚える人がいたりすると思います。四十八漁場ではSNSがスムーズに定着しましたか。
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