第34回 ここヘン式2015年の総括テクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」(2/2 ページ)

» 2015年12月25日 07時00分 公開
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テクノロジーネタは新し過ぎた?

 日本ではまだ芽が出始めた程度の、業界の新しいテクノロジーなども紹介させていただきました。特に「ハイパーコンバージド」は日本の一般企業にピッタリだと思っており、本業のビジネスも上々なのですが、反響はイマイチだったようです(笑)。

 少し昔、「Windowsの新バージョンはService Pack がリリースされてから」なんて日本独自のIT格言がありました。ベンダー側に居ると、ハイパーコンバージドなんて正に今年が“旬”だったように思えるのですが、それだけ読者様(エンドユーザー)は新しいものに躊躇している・温度感が違うということを再認識した次第です。改めて頭に叩き込んでおきたいと思います。

実はネタに乏しいネットワーク

 ちょうど最近、忘年会で久々に会った知人から、「インフラなのに“ネットワーク”には触れないの?」と言われました。確かに、ITインフラでテクノロジーというと、特に2000年代初頭はネットワークが旬だったように思います。ちょうどADSLによる高速インターネットが始まった頃で“ブロードバンド”という言葉がバズワードとして当時広く使われていました。実際、「インフラ系に配属されるならネットワークエンジニアになりたい!」という友人もたくさん居たように記憶しています。

 それから10年強が経ちましたので、ネットワーク運用にもたくさんのネタがありそうなのですが、実際のところ、“ここ変”という欧米とのギャップとという意味では、周りにも聞いていますがそれほど多く無いようです。

 もちろん、通信キャリア独自の事情や、一般企業でも「10Gbpsへの移行が非常に消極的」「サーバー接続用なのに未だに『Cat○○』が広く利用されている」「家庭用〜SOHOになると国産製品が強い」など、日本独自な点もあります。しかしながら、これらはメーカー側の営業戦略・マーケット戦略に依る部分も大きいため、本連載では割愛させてください。

 ネットワークと切っては切れない関係にある“セキュリティ”については、先ほどのとおりネタの宝庫です。ITインフラとは縁遠い内容も多いのですが、マイナンバー系などで業界全体ではホットな話題ですので、有識者のコメントも取り入れつつ、来年以降も紹介していこうと思います。

ここ変 ネットワーク運用は意外と“ここ変”が少ない分野かも?

 総括とは言っていますが、今年から始めた連載ということもあり、手探りな部分も多かったのが正直なところ。時事ネタよりは(私にとって古くからの)鉄板ネタが多かったかもしれません。次回、年明け1本目はこれらを省みて「今年の抱負」でスタートしたいと思います。

 今年一年読んでくださってありがとうございました。良いお年を!

小川大地(おがわ・だいち)

日本ヒューレット・パッカード株式会社 仮想化・統合基盤テクノロジーエバンジェリスト。SANストレージの製品開発部門にてBCP/DRやデータベースバックアップに関するエンジニアリングを経験後、2006年より日本HPに入社。x86サーバー製品のプリセールス部門に所属し、WindowsやVMwareといったOS、仮想化レイヤーのソリューションアーキテクトを担当。2015年現在は、ハードウェアとソフトウェアの両方の知見を生かし、お客様の仮想化基盤やインフラ統合の導入プロジェクトをシステムデザインの視点から支援している。Microsoft MVPを5年連続、VMware vExpertを4年連続で個人受賞。

カバーエリアは、x86サーバー、仮想化基盤、インフラ統合(コンバージドインフラストラクチャ)、データセンターインフラ設計、サイジング、災害対策、Windows基盤、デスクトップ仮想化、シンクライアントソリューション


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